富山競輪のS級シリーズ「満寿泉賞・スポーツニッポン杯(FⅠ)」は12日から3日間、開催される開幕する。競輪祭の直前とあって傑出者が不在。タテヨコの動きに定評のある松川高大を中心に、今メンバー屈指の攻撃力を誇る佐藤博紀、自在派の池田勇人などが登場する。短走路を舞台に実力者がそろって熱戦は必至だ。
 

 
 今回のV候補である松川。近年、九州屈指の自在系として確固たる地位を築いている。それ故に、目標のいるレースも増えており、その都度チャンスをしっかりモノにしている。9月共同通信社杯では序盤こそ苦戦をしいられたが、3日目、4日目と冷静沈着な運びと、勝負強さを披露して連勝で締めた。ビッグ戦線でもダイナミックな仕掛けをみせて好勝負を演じている印象だ。
 
 10月久留米では今年4度目のVを達成。準決、決勝と目標がいて展開が有利な部分もあったが、初日特選では俊敏に先頭集団に追い上げ好位置を奪い2着。直前の防府記念二次予選では、別線との中団争いを制してシャープな捲りを放って他を圧倒した。準決では山田英明を目標にゴール前で鋭く追い込んだものの、惜しくも届かず4着。しかし「調子はいい」と成績以上の手応えを実感していた。
 
 持ち前のタテヨコの動きは軽快で、強気な組み立てでレースを支配。いざとなれば鋭いカマシを繰り出して先行で魅せることもある。立ち遅れると苦戦は否めない短走路だが、持ち味を遺憾なく発揮して勝負圏のある位置を確保。縦横無尽に攻めてシリーズをけん引する。今年最後のGⅠ競輪祭に出場できなかった悔しさを今年5度目の美酒で晴らしてもらおう。