佐世保競輪・GⅢ開設69周年記念「九十九島賞争奪戦」が、5日から8日まで開催される。優勝争いを一歩リードするのは井上昌己だ。65周年記念以来、4度目の地元記念制覇へ、エースが健脚を見せつける。
 
 SS班の村上義弘や好調をキープする和田健太郎、吉田拓矢、小松崎大地、太田竜馬ら多士済々。超一流バトルに注目だ。また、最終日の第9Rでは115期上位9選手によるチャレンジファイナルが行われる。
 

 2006年の花月園オールスターでGⅠ初優勝を達成し、一躍スターダムにのしあがった井上昌己は08年に競輪王(小倉=競輪祭)に輝き、同年末には平塚グランプリまで制覇した。常にGⅠの主役を演じてきたが、近況は大舞台で精彩を欠いている。今年5つのGⅠは、いずれも勝ち上がりに失敗。GⅠの決勝進出は17年の高松宮記念杯(岸和田)までさかのぼる。
 
 だが、極端に脚力が衰えたわけではない。その証拠に直前の競輪祭では後半で失速したものの、予選2走を②①とまとめ4日目のダイヤモンドレースに進出しているのだ。40歳という年齢的なものもあるが、鋭いまくりを多発していた頃とは違い、このところはマーク策が多い。
 
 展開に左右されるのは否めないが、この地元記念だけは好展開を呼び込める。何しろ番組面の恩恵を得られる上、親交の深い荒井崇博や力を付けた中本匠栄ら九州勢の後押しがあるからだ。過去、九州勢の気持ちに応える形で地元記念を3度も制している。「やれることをしっかりやってアピールしたい」。調整にぬかりはない。狙うは表彰台のてっぺんだ。