今年も、また東西の精鋭たちが年末の佐世保バンクに集まる。主力のほとんどが競輪祭直後の記念あっ旋となる。武田豊樹が負傷欠場し、SS班からの参戦は村上義弘のみ。だが、佐世保といえば井上昌己がやはり筆頭格だ。過去、地元記念は3Vを飾るなど、めっぽう強い。親交ある荒井崇博が井上をあと押し。さらに力を付けた中本匠栄が好展開を作る。新鋭・上田尭弥も勝ち上がりで九州ラインの先導役に。井上が勝ちパターンを築けるはず。
闘魂・村上義弘が例によって見せ場を作る。古性優作、山田久徳、東口善朋と近畿のコマはそろった。村上を中心にまとまる近畿勢の動向が見逃せない。関東勢は競輪祭で決勝にコマを進めた吉田拓矢が注目株。神山雄一郎がライン参加。息のあった〝茨栃連係〟が侮れない。南関もV圏内。和田健太郎は競輪祭で決勝進出。桐山敬太郎も元気だし、スピードレーサー・山中秀将も控える。その隊列が注目されそうだ。
中四国は太田竜馬が代表格。9月岐阜で3度目の記念優勝を飾るなどトップレーサーへと成長した。復調途上にある小倉竜二が太田をもり立てる。太田の力強いフットワークを警戒したい。北日本勢も好勝負。小松崎大地は競輪祭で好気配だった。伏見俊昭は変わらず元気いっぱいで、売り出し中の藤根俊貴が先導を買って出る。藤根―小松崎―伏見の並びが完成すると小松崎に流れは絶好だ。
佐世保バンクの特徴 |
クセのない周長400㍍走路だが、直線のみなし距離は40・2㍍と短い。先行有利だが、海沿いの地形で風が強い上、この時期は冷え込みがひどく走路は重い。特にBS向かい風になると逃げ切りは厳しい。まくりが幅を利かせるが、最大カントは31度28分37秒と浅めでコーナーの出口で外に流れる傾向がある。まくりは3角までにハナに立つ早めの仕掛けが有効だ。追い込みは直線が短い分、3番手までが圏内といえる。