小倉競輪の防府市営「ウィンチケットミッドナイト競輪」が30日から3日間、開催される。今シリーズはA級1、2班戦。脚力接近、実力拮抗する混戦相場となるが、一歩リードするのは遠藤拓巳(25=香川)だ。持ち前のダッシュ力を駆使し、今年6Vを飾っているスプリンターが決勝7着と辛酸をなめた3月開催以来のメディアドームで雪辱を誓う。のっけからパワー全開だ。
今年の仕事始めの高松で完全Vを飾り、好スタートを切った遠藤拓巳がその後も順調な足取りだ。決勝常連、前々回の熊本決勝で今年6度目の美酒を味わった。
中石湊(北海道)、森田一郎(埼玉)、山崎歩夢(福島)らが顔を並べる125期にあって、33勝をマークし在所成績ナンバー1の座をつかんだ。持ち味はダッシュ力を生かしたかまし、捲り。そのスピードは今すぐにでもS級で通用する鋭さだ。
メディアドームは3月開催(②①❼)以来の参戦となるが、室内の軽い走路は遠藤向き。スプリント力を見せつけ決勝にはコマを進めてくれよう。自分のタイミングでしっかりスパートし、遠藤が今年7度目のVに照準を絞る。

その遠藤とワンツーを目指すのが近藤誠二(47=香川)。年齢とともに全盛時のキレは影を潜めているが、S級経験もあり、堅実なハンドルさばきが印象に残る。
マーカーだけに展開に左右される面は仕方ないが、6月静岡では吉川希望(石川)マークの3番手から中割りを決め優勝を手にしている。今回は遠藤という絶好の目標がある。遠藤の仕掛ける位置次第では近藤にチャンスが訪れる。

東勢では栗本武典(29=千葉)がクローズアップされる。ジックリ脚力を温存し、一気に仕掛ける捲りは破壊力がある。差し脚健在の稲葉一真(36=静岡)との南関連係が見逃せないものとなる。

北日本からは格付け2班ながら宇佐見裕輝(40=福島)がV圏内へと割って入る。近況は追い込みにシフトチェンジしているが、いざとなれば飛び道具(捲り)を打てる自在派でもある。果敢な阿部架惟都(26=宮城)との連係が実現すれば宇佐見の番手捲りが見られるかも。

九州勢は厳しい戦いを強いられそうだ。安東宏高(43=大分)が持ち点最上位だが、上位に通用する機動力型が不在。それでも利根利明(36=大分)の奮起次第では安東が好配を呼び込む。


