
◆12月14日~16日開催 レース展望◆
稲垣と井上の一騎打ち―。防府競輪FⅠ「第15回幸せますカップ」は14日から3日間の日程で争われる。タイトルホルダーの稲垣裕之、井上昌己の86期両者がV争いの中心になる。ともに近況は目立ったヒットこそないが、スピードは抜けている。自在攻めが冴える松谷秀幸、地元中国勢では差し脚鋭い柏野智典もV候補の一角だ。ガールズケイリンは長沢彩が不動の軸。師走の33バンクで熱戦が展開される。
<稲垣と井上がシリーズ中心>
実績上位の稲垣(=写真)と井上がシリーズを引っ張る。稲垣は競輪祭では差しと捲りで2勝を挙げた。機動力に加え、巧みなレース運びでVを狙う。3節連続優出中の岡崎智哉が勝ち上がれば、番手から抜け出し。沢田義和が稲垣を好マーク。
井上は11月の久留米FⅠから流れがひと息だがスピードは健在。佐世保記念を控え、調子を上げていきたいところだ。佐藤幸治との長崎連係も考えられる。
南関勢は松谷が軸になる。前回広島での落車は気になるが、自力自在な走りはやはり魅力。田中が調子を上げてきているのも心強い。ともに位置取りは厳しく、一発は怖い。
柏野は10月前橋の寛仁親王牌で決勝進出。清水裕友との連係で見せ場を作った。直線ではコースを探して突っ込む。広島期待の新鋭、竹内翼はヤンググランプリへ向けて最後の実戦。直前の広島記念は準決まで進んでおり、今回も果敢に攻めていく。
佐藤友和のパワーも展開がもつれれば侮れない。佐藤次第では大森慶一の差し脚台頭も。金子哲大は直近4カ月のバックが15。FⅠに限れば5節連続優出中。決勝でも積極的な走りが目立っている。落車続きの佐藤悦夫は回復具合がどうか。
<田中晴基 防府バンクと好相性>
田中晴基が調子を上げてきている。10月の高知F1では、金子哲大の先行を車間の離れた5番手から捕らえて優勝をさらった。直前の広島記念ブロックセブンは坂本周輝目標から自力に転じて快勝。ツボにはまった時の破壊力は侮れない。防府では15年2月のFⅠで優勝とバンクとの相性も悪くない。好位置キープから強烈な一撃を見舞う。
<ガールズは長沢か荒牧>
長沢彩の機動力が抜けている。今年は13回の優勝。8月いわき平のアルテミス賞を制し、近況も安定した成績を残している。スンナリ駆けてペース駆けに持ち込むか、大きく後手を踏まない限りはまくって人気に応える。あっさり3連勝を決めるか。長沢に待ったかけるとすれば荒牧聖未。ダッシュを生かした思い切った走りで逆転を目指す。順当なら両者で収まりそうだ。