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【平塚GⅠ日本選手権】レース展望と主な選手紹介

 今年のGⅠ第2弾「第72回日本選手権競輪」が5月1日から6日までの6日間、平塚競輪場で開催される。出場選手はビッグレースで最多の162人(男子)。その中でも注目は競技中心の生活を送り競輪の出走機会が少なくなっているナショナルチーム主力組の走り。新田祐大、渡辺一成、深谷知広、脇本雄太の4選手が世界へ向けて鍛えられたハイパワーをGⅠ最高峰のダービーで披露する。その他、平原康多、浅井康太、三谷竜生、村上義弘らトップ選手が競演。優勝賞金6500万円(副賞含む)を巡り白熱のバトルが繰り広げられる。

<新田・渡辺一・深谷・脇本 東京五輪でメダルを目指すナショナルチーム組>
 東京五輪でのメダル獲得へ向けて努力を続ける新田祐大、渡辺一成、深谷知広、脇本雄太の4選手。ベロドロームのある伊豆に生活拠点を移し、16年秋にフランスから招かれたブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチの下でハードかつ効果的なトレーニングに打ち込んでいる。日本ではかつてなかった練習方法に当初は戸惑うこともあったが、ベトゥ氏の教えに沿って鍛錬を積むことで着実にパワーがアップしている。

 昨年6月以降、4人のうち新田(=写真上)と渡辺の2人が進化した強さで本業のビッグ戦線を席巻した。6月高松宮記念杯、7月サマーナイトF、11月競輪祭で新田がV。渡辺も8月オールスター、10月寛仁親王牌とGⅠで2冠を獲得。これら決勝5回のうち2人のワンツーが3回。唯一、優勝を逃したのは9月共同通信社杯だが、そこでも2人はそろって決勝に進んでいる。

 この一連の流れで、より際立ったのが、前で仕掛けた時の新田の力強さだ。勢いは今年も続き、最初のGⅠ、2月全日本選抜を異次元のスピードでまくりV。昨年11月競輪祭からGⅠ連覇を成し遂げた。3月のGⅡ、ウィナーズカップでは準決でまさかの4着となったが、GⅠ3連覇の偉業にも挑む最高峰の舞台で同じ失敗を繰り返すことはできない。まずは準決までをしっかりとクリア。決勝も強烈な仕掛けを繰り出して別線を一蹴する。


 渡辺(=写真上)も今年初めての競輪出走だったウィナーズカップでは二予で敗れて勝ち上がりに失敗した。昨年続けた新田との好連係は今も記憶に強く残っているはず。イメージを呼び覚まし、ここで再び流れを引き寄せたい。

 深谷(=写真上)は2月、渡辺らとともに全日本選抜を欠場して参加したアジア選手権1㌔タイムトライアルで自己ベストを出して優勝。競技での厳しい練習により力が上がっていることを記録で証明した。3年ぶりにGP出場を決めた昨年はGⅠ決勝に4回進出。しかし、最高がダービーの5着で、その他は8着以下。本業でも結果を出すべく、今年は詰めの甘さを解消したい。

 脇本は昨年12月のW杯第4戦ケイリンで強豪を撃破。日本人として14年ぶりに金メダルに輝く快挙を成し遂げた。深谷同様、本業の競輪でも結果を出せる実力は十分に備わっている。層の厚い近畿地区の中でもラインの軸としての活躍が期待される。

<平原、浅井、三谷竜ら各地区を代表する有力選手>

 各地区を代表するV有力候補は平原康多、浅井康太、三谷竜生、村上義弘、山田英明、原田研太朗、地元神奈川のエース・郡司浩平あたり。平原はGⅠで7Vの実績。ただ、全て4日制で、6日制ダービーや5日制オールスターの優勝は未経験。特に6日制のダービーはGⅠの中でも重みが違うだけに、勝ちたい気持ちは強いはず。今回は盟友の武田豊樹が不在。その分も、関東の柱として強い気持ちを胸に戦う。


 昨年のGP覇者・浅井は3月ウィナーズカップで決勝へ。1、2月に落とした調子は戻ってきている。相性のいい深谷とはGPに続きウィナーズカップ初日も連係して1着をゲット。ここも中部S班で強力タッグ。差してのワンツーを狙う。
 
 近畿の中心はダービー連覇に挑む三谷とダービー4Vの村上義。稲垣裕之、古性優作、村上博幸などほかにも実力者が多数。結束力は脅威だ。

 好調・山田(=写真上)は九州の核。2月全日本選抜では無傷で決勝へ。鋭いまくりでGⅠ初制覇も。四国の原田は今年のビッグで2連続決勝進出。山田同様、強烈まくりを武器に初のGⅠ優勝を目指す。
 地元でのダービーに燃えるのが神奈川では実績上位となる郡司。連覇を狙った川崎記念では決勝に進めず。昨年のダービーでは二予で敗れ、翌々日のレースで落車。悔しさは全てここで晴らすつもりでいるか。万全に仕上げて6日間に臨む。

<注目の若手 渡辺雄太、太田竜馬ら>

 出場162選手のうち105期以降の若手は合計12人。その中で唯一、今年が3回目のダービー出場となるのが南関地区期待のヤングパワー・渡辺雄太だ。走りは積極的で、地元勢や叔父で師匠の渡辺晴智と乗り合わせれば前で果敢に仕掛けることは間違いない。初出場の16年静岡では一予を3着で突破。昨年京王閣では3走目に逃げ切りを決めてダービー初勝利を挙げた。先行勝負で上位レースへと勝ち進み、地区のスター候補として実力をアピールしたい。

 小川真太郎は3月当地FⅠで優勝を決めると、次の4月伊東FⅠでもV。西武園記念では二予5着で上位への道を絶たれたが、力はグレード戦線でも通用するレベルに達している。正規でのGⅠ出場は昨年8月いわき平オールスターに続き今回が2回目。鋭いダッシュを生かし、気負わずに力を発揮すれば怖い1人となる。

 戦歴上位はすでにGⅠで決勝を経験している新山響平と吉田拓矢。ただ、初出場だった昨年の京王閣では2人とも思うような結果を残せなかった。吉田は初戦で落車して途中欠場。新山も一予4着で早々に上位争いから姿を消した。負のイメージは今年の走りで解消。主力の一角としてしっかりと存在感を示したい。


 109期からただ1人の出場となる太田竜馬(=写真上R)もすでにS級上位レベルで力を発揮。記念では決勝2着と3着が1回ずつ。昨年8月いわき平オールスターでは準決まで勝ち上がりを果たしている。初出場となるダービーではそれ以上の成績を狙っているはず。決勝での活躍も十分に期待できる。

 4月武雄記念で初のGⅢ決勝進出を決めたのが阿部拓真。組み立てはまくり主体だが混戦も苦にせず常に前々へと踏み込んでいく。上昇機運に乗り、初GⅠでも強気な走りで見せ場をつくるか。