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【記者コラム】スターにつながる競走訓練のB数

 競輪選手の卵を取材する卒業記念レースは胸が高鳴る(車券は発売していないが)。未来のスター候補たちの輝いた目。検車場で会う丸刈りの男子生徒は「こんにちは!!」と腹の底から声を出し、すがすがしいあいさつが響き渡る。野球少年だった記者は青春時代の部活動を思い出す。誰もが夢や希望に満ちあふれて卒業を迎える。
 卒記取材で注目しているのが競走訓練でのB数(最終バックを先頭で通過した回数)。近年、在校時代に最も先行した生徒は、デビュー後、順調にS級まで上り詰めているからだ。100期は久米康平(25=徳島)、101期は小原唯志(33=茨城)、103期は杉森輝大(34=茨城)、105期は伊早坂駿一(22=茨城)と野口大誠(27=熊本)が同回数。107期は新山響平(23=青森)、109期は太田竜馬(20=徳島)。S級のステージで風を切る彼らは学校時代から逃げまくっていた。
 競走訓練から先行することが脚力アップには欠かせない。現役選手に話を聞くと「ラインがない中でみんな先行したい気持ちを持っている。最終Hもなかなか取れない。学校時代に最終Bを取ることは相当な脚力がなければできない」と口をそろえる。1着回数や在校順位はもちろん評価すべき点だが、B数が持つ意味はそれ以上に大きい。
 同期は同じ釜の飯を食った仲間。一方で永遠のライバルでもある。“主導権だけは渡さない”という強い気持ちを持って日々精進した生徒がデビュー後、大きな花を咲かせる。111期で最もB数が多い山崎賢人(24=長崎)は「地元長崎の選手を引っ張りたいので、意識的に早めに仕掛けていた」。目的意識を持って鍛錬することが、スター街道の第一歩を勇ましく踏みだすことにつながる。(小野 祐一)
※17年3月23日付・東京版