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【記者コラム】ロードから転身 奈良の新たな「Vロード」


 昨年7月にデビューした109期の奈良基(もとい、34=宮城・A3)はプロのロードレーサーから転向してきた。「ロードで食べていきたかったが稼ぎが少なくて…。経験を生かせるのが競輪だった」。全日本選手権(10年)個人タイムトライアルロードレース大会2位、ツアーオブジャパン(同)6位の実績。本場ヨーロッパで各地を転々としながら7年間ペダルを踏み続けたが、30歳を過ぎて一念発起。競輪挑戦を決意した。
 同じ自転車でも競輪とロードはまるで違う。陸上競技で例えると競輪選手は短距離種目のスプリンター。一方、ロードレーサーはマラソン選手のようなもの。ラスト600メートルのスプリント勝負になる競輪選手は瞬間的なパワーが求められ筋肉隆々だが、ロード選手は200キロ近い距離を戦略的に走り込むため持久力を重視、細身の体形が多いのが特徴だ。
 奈良は競輪デビュー当初こそ力を発揮できなかったが昨年末から成績が上昇。「レースを肌で感じ、踏むところと流すところが分かってきた」。5日決勝の京王閣は逃げ切りで3回目のチャレンジレースV。「トップスピードを上げるのが課題」と話すが、ロード仕込みのスタミナを発揮すると粘りが強じん。経験を重ねるごとに力強さを増している印象だ。
 34歳のオールドルーキーは「ロードと違う環境を楽しみつつ、もっと強くなりたい。競輪は賞金も魅力。僕を追いかけてロードから転向する選手が出てくればうれしい」。新天地で新たな道筋をつくりながら“Vロード”を目指す。(小野 祐一) ※17年2月9日付・東京版掲載