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【記者コラム】傷だらけ49歳関根 復活へ始動

 昨年5月の平塚記念を最後に約1年4カ月も欠場しているベテラン関根幸夫(49=神奈川、写真)が来年1月の実戦復帰を目指して今年6月から練習を再開した。

 昨年5月31日、平塚競輪場で練習を終えた関根は帰り道のバイク事故で左脛(すね)骨を骨折。手術を前にエコー検査を受けると何と総腸骨動脈瘤(りゅう)と腹部大動脈瘤が見つかった。「(不幸中の幸いで)左脛骨を骨折したおかげ」で大病を見つけることができたのだ。

 左膝は6月に手術、腹部は9月に手術した。腹部の手術後1週間は集中治療室。「しびれて動かない左足の感覚に今後は(競輪選手どころか)日常生活も普通にできないのかなあ…」と気持ちも沈んだ。それでも「このまま(選手生活を)終わるのは悔いが残る」という強い思いを持って体調の回復を待った。

 しかし今年1月に今度は右膝の壊死(えし)が発覚。3月に左膝のプレートを取ると左膝半月板の断裂も見つかった。その手術、入院を終えて退院したのが5月31日。くしくもバイク事故からちょうど1年。「この1年間は手術と入院の繰り返しで…」と振り返る。

 選手生活30年。87年デビュー時に110人いた同期59期生も今は18人。引退の文字が浮かばなかったはずはない。それでも「走りたい」の思いは何より強かった。リハビリを経て6月1日から徐々に練習開始。もちろん「この年齢で1年間のブランクはきつい」。現状では若手と力の差があるため花月園時代からの郡司盛夫(56)、小島寿昭(54)との練習が中心になる。

 復帰目標の来年1月までは「みっちり練習するだけ」。23日に川崎競輪場で話した関根は30年前と同じく明るく前向きだった。記者として、ファンとして関根の復帰戦を楽しみに待っている。

※8月24日付・東京版掲載

 中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)、熊本県生まれの55歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に関根幸夫(神奈川)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋30年。勝負レースは5車の結束、競り、番手まくり。