ニュース

【記者コラム】元ハンマー投げ日本王者・野口 〝剛脚〟目指し精進中


  オールドルーキーが壁にぶつかっている。ハンマー投げ元日本チャンプの野口裕史(千葉=111期)。34歳で競輪デビュー後、A級2班に特昇するまでは順調だったが、相次ぐ落車がキャリアアップを阻んだ。昨年9月西武園、10月いわき平、11月平塚、同富山で落車。3カ月間に4度も転倒した。「落車するたびに右肩、左肩、背中と痛めて…。体が悪い状態のまま復帰して走っていた。しっかりした練習もできていなかった」。1メートル77、96キロの巨体はダメージの蓄積が大きい。昨年はA級1、2班戦で優勝を飾れず苦汁をなめた。

 だが、逆境にくじけていない。「自転車に慣れていないと再確認した」。度重なるアクシデントがウイークポイントを見つめ直すきっかけになった。「ハンマー投げと同じ。なぜ飛ばせているか分からない人は、一度悪くなると(元の状態に)戻れなくなる。僕は上半身が力み過ぎていた」。バランス感覚を鍛え直して一から出直し。今年2場所目の西武園F1(1月29~31日)は大本命を背負った初日予選で敗れ、苦難の道を歩んでいるが気持ちは折れていない。

 練習仲間の千葉勢が「ポテンシャルが凄い」と口をそろえて認める大器は今が正念場。「競輪は同じ展開が二度とない。僕はレースの組み立てが下手。経験も大事だがレースを勉強しないと」。先輩のアドバイスに耳を傾け、必死に壁を乗り越えようとしている。ハンマー投げのように豪快でパワフルな走りが真骨頂。鉄腕から剛脚を目指す挑戦は始まったばかりだ。

♠小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの34歳。06年スポニチ入社、大阪本社で2年、08年から東京本社で競輪担当。最近印象に残ったレースは1月28日ガルコレトライアル松戸決勝、太田りゆ(埼玉=112期)のまくり。

※18年2月1日付・東京版掲載