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【記者コラム】元選手 競輪学校教官・山口「成長していく姿が楽しみ」

 22、23日に行われた競輪学校卒業記念レースを取材。教官として指導する元選手の山口雅弘(46=北海道、写真)に再会した。
 山口は70期生として92年8月デビュー。旭川西高までは自転車とは無縁。「体育の先生になりたい」との思いから大学を受験したが失敗。浪人時代に競輪を知り、選手を志して函館に移り住んだ。
 24年間の選手生活を「多くの人と知り合えたこと、日本全国に行けたことが良かった」と振り返る。四日市記念3着で競輪祭に出場したこともあるが、思い出に残るレースに「選手になる時に一番お世話になった中村吉幸さん(47期=引退)と函館の決勝(94年)に乗り、僕が駆けて中村さんが優勝したレース」を挙げた。自分が勝ったレースでなく“少し恩返しできたかな”という思いがある一戦を挙げるのが山口らしい。ちなみに函館競輪場で開催指導員を務める中村氏もこのレースを一番の思い出に挙げた。こういう話が“人が走る”競輪の魅力の一つだ。
 山口に転機が訪れたのは15年12月。競輪学校の教官を募集していることを知った。いくつかの応募資格を満たしていたことで「年齢的に今後のこと、元々が教員志望だったこともあった」ため応募したところ合格。久米康徳(京都)、友田雄介(熊本)と共に16年4月、教官に転身した。
 何もかもが初めての経験だった。パソコン、バイク誘導、競技規則の勉強、翌日の準備…。「人に教えることの難しさを肌で感じた。一年はアッという間だった」。しかし「111期生の10人を担任しました。デビューする前の素の生徒を知っている。それが成長していく姿を見るのが楽しかった。デビュー後が楽しみです」。表情には充実感がうかがえた。(中林 陵治)    ※17年3月30日付・東京版