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【記者コラム】夏目が重体事故から復活の白星


 4月29日の宇都宮FⅠ2日目1R。長欠明けの夏目新吾(30=静岡・103期)が白星を飾った。中478日での復帰から2戦目だった。最終2角8番手からスパート。ぐんぐん加速し、来期S級の高橋築を含め前団をまくり切った。競走中は「夏目頑張れ!」の声援がこだました。「僕を知っている人が宇都宮にこんなにいるなんて。無我夢中で駆けた。温かい声援が力になった」。冬を乗り越え訪れた春の陽気。地元ファンから祝福され再出発した。

 昨年1月、静岡市の国道で練習中、車にはねられた。頭を強打し、一時意識不明の重体。S級に初昇格した矢先だった。これまでいくつかのケガを経験した夏目も「顎を骨折し、口が指一本分ほどしか開かなかった。食べたくても食べられず、体重が15㌔くらい落ちたのがきつかった。今もまだ体が小さい」。復帰への道のりは険しかった。

 子供の頃からサッカーに打ち込んだ。記者がかつて担当したJリーグ磐田の松浦拓弥、山田大記の両MFとは県選抜で一緒にプレーし「2人とも当時から〝持ってる〟選手だった」と懐かしんだ。常葉学園橘高2年時に全国高校選手権に出場。ちなみに当時監督だった長沢和明氏は磐田の初代監督で女優の長沢まさみの父親。復帰に際し電話で報告した。

 夏目は「真っ向勝負しない限り、脚は元には戻らない。時間がかかるかもしれないけど地道にやっていく」。一度立ったS級の舞台へ、確固たる意志を示した。道のりは平たんではないが、それでも激戦区の静岡県高校サッカーのトーナメントを勝ち上がった夏目ならきっとできるだろう。

 ♤出田 竜祐(いでた・りゅうすけ)1980年(昭55)9月29日生まれ、熊本県出身の37歳。明大卒。05年スポニチ入社。芸能、サッカー、ボートレース担当を経て今年4月から競輪担当。万車券の初的中は5日の平塚GⅠ準決勝。1着は脇本雄太(29=福井・94期)。

※18年5月17日付・東京版掲載