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【記者コラム】山田久徳 熱き京都魂受け継ぐ


 12月の記念は毎年、記念初Vの選手が出現する可能性が高い。グランプリに出場する選手が、落車のケガを避けるため、競輪祭後は30日の本番まで欠場することが通例となっているので初Vのチャンスが広がるからだ。今年は5日が決勝の別府で田中晴基、10日の伊東で早坂秀悟が、17日の佐世保で山田久徳=写真=が勝利を挙げた。

 とくにレース内容で魅せたのが山田だ。九州、北日本ラインを相手に、動いて中団を取ってのまくり勝ち。持ち味を完璧に出し切った走りだった。目標だった記念(GⅢ)Vを果たし、京都の選手から祝福される姿は、近畿地区からまたもスター選手の誕生を予感させるものだった。

 山田の走りは自力が基本だが、決まり手は逃げ、まくり、差し、マークがすべて付いているように、レース展開によって何でもしていくタイプだ。今、グレードレースは、新田祐大を代表にスピードがすべてといっていい状況だ。対して山田の走りはゴツゴツとした昭和の競輪を感じさせる。そして近畿の中心選手として活躍する古性優作の走りと似ている。今の新田を倒すにはスピード勝負に持ち込むのではなく、山田、古性の持ち味を生かしてぶつかり合いの乱戦にすることだろう。ライバルとしても意識する古性とタッグを組んで新田らと対戦するシーンが楽しみだ。

 最強と呼ばれた近畿勢でグランプリ出場は三谷竜生の1人に終わった。ただ大エース村上義弘がケガで苦しんだ1年を吹き飛ばす激走を見せるのは必至だし、山田、古性も勢いを加速させる。そしてS級特進を決めた南潤ら新人の台頭もある。来る年は最強近畿の復活をかけた勝負の年だ。(緒方 泰士)

※17年12月20日付・大阪版掲載