ニュース

【記者コラム】感謝の12年 今後は愛のあるやじを

 4月から中央競馬担当になりました。選手、読者、関係者の皆さま、本当にお世話になりました。

 入社1年目から念願の競輪担当。記者歴12年(大阪2年、東京10年)。真夜中に競走が行われ、華やかなガールズたちが共演。大津びわこや花月園などGⅠ開催場の廃止。今年はナイターGⅠが実施されるなど、競輪は全く想像できなかった道を歩んでいる。どんな形であれ、10年、20年後も競輪本来の魅力を失ってほしくない。

 人が走る。記者が競輪にほれたのはそれに尽きる。喜怒哀楽にあふれた人間模様。笑って、泣いて、時には怒って。選手には必ず個性がある。レースではそれが映し出される。取材で向き合えば人と人。検車場では有意義な時間を過ごせた。雑談こそが競輪取材の神髄かもしれない。

 選手の成長する姿を見るのもだいご味の一つ。ガールズケイリン創成期から立ち会えたが、高木真備を初めて取材した時にビビッと来た。愚直に逃げる姿に心を打たれ「必ず強くなる」と確信。あれよあれよという間に力をつけ、人気と実力を兼ね備える一流選手へと上り詰めた。見立ては間違いではなかった。

(大雨の中行われたKEIRINグランプリ2012 悲願の初優勝を確信し、ガッツポーズをする村上)

 記者歴12年間のMVPを1人挙げれば、魂の男・村上義弘だ。右肋骨骨折後に制した12年の京王閣グランプリ。ヒーローは真冬の冷たい雨が降りしきる中、熱い涙を隠し切れなかった。いつでも全力疾走。最後の最後まで力を振り絞る。自力でも番手でもファンの期待に応える激走。自転車に対する情熱は43歳を迎えてもギラギラと燃えたぎる。

 最後は選手の皆さまに一言。今後はバンクの外から“声を掛ける”ことになるが「下手なレースをしたら愛のあるやじを飛ばします。一生懸命ペダルをこいで、共に前へ進みましょう!!」。

 ♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの34歳。06年スポニチ入社、大阪本社で2年、08年から今年3月まで東京本社で競輪担当。今年は111期の南潤(20=和歌山)が世代交代の旗手としてG1戦線で活躍すると予感。

※18年4月5日付・東京版掲載