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【記者コラム】落車防止へ待ったなし

 先日の平オールスターは予想外の出来事が続いた。準決勝で人気の平原康多が落車失格。そして最終日には6Rで周回数の誤表示によりレースが不成立となり車券が返還。決勝戦では勝負どころの前に竹内雄作が過失走行による落車失格と、長い間レースを見てきたがこれほどアクシデントが続いたのは初めてだ。

 周回板の誤表示については人為的なミスなので、今後は電光表示板にするなどの機械化による対応で再発は防げるが、問題は落車事故だろう。角度のついたバンクの中で、9人がけん制をしながら1着を目指すのだから落車がゼロになることはない。車券を買うファンも、選手が攻防を尽くしてのやむにやまれぬ接触によるものならあきらめもつく。しかし、勝負が始まる前の落車は納得ができず、ファンが競輪から離れていく大きな理由となってしまう。

 2015年から大ギアが規制され、落車事故が減少することが期待された。しかし、選手の対応も早く、現在では上がりタイム10秒台のレースも珍しくない。レース形態は以前よりスピード化している。その分、落車による選手のダメージも深刻だ。骨折などの外傷だけでなく、ヘルメットをしていても頭部への衝撃は蓄積されていく。選手に話を聞くと、こちらがヒヤっとするほど体への影響が心配になる。

 過失走行をなくすために勝負どころ前の過度なけん制などは罰則が必要だろう。ただ規制でがんじがらめにしても競輪の魅力は半減してしまう。ファンが納得できるルールで、落車による選手のケガを減らすのがベストだ。競輪を知らない人でもわかりやすいルールで、鍛え抜かれた選手の走りを楽しめるものに。競輪の売り上げの低迷が続く中で残された時間は少ない。 (緒方 泰士)

※8月23日付・大阪版掲載