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【記者コラム】GPの深谷コールに輪界の未来を感じた

 まだ興奮と感動が冷めていません。昨年末のKEIRINグランプリのことです。スポニチファミリーの浅井康太が優勝したから?それもあります。結果を出せなかった1年間、自問自答しながらグランプリに向けて仕上げてきた姿を間近で見ていただけに、自分のことのようにうれしかった。

 ただ、もっと感動したのが、あの大舞台でひるむことなく風を切り、落車に巻き込まれながらも、ボロボロになった自転車と体でゴールまでたどり着いた深谷知広の姿です。そして、場内から沸き上がった深谷コール。現場に行ってなくてもその声は体の芯まで響いたし、目頭が熱くなった。実際、記者もパソコン画面に向かって叫びました。「深谷ガンバレ!」って…。

 そして安心しました。あの場面で巻き起こったのがヤジではなく、激闘を戦い抜いて傷を負った選手に対しての、温かいエールだったことを…。競輪もまだまだ捨てたもんじゃない。このファンたちがいるかぎり未来はあるなって。

 だからこそ、運営サイドにはもっともっと頑張って欲しい。2020年の東京オリンピックは、競輪の認知度とイメージを大きく上げるまたとないチャンス。逆に言えば、この機会を生かせなかった場合、明るい未来は見えてきません。

 そのためにはオリンピック出場枠を懸けワールドカップ等に参加し、今年から競輪参加が激減する選手たちへの手厚いバックアップは不可欠。それが自国開催なら、むしろオリンピック年と同じぐらい保証があってもいいのでは?

 グランプリ選考基準項目に「選考委が特に認めた選手(競輪祭開催以前に決定する)」というものがあります。これまで該当者はなし。世界選で優勝したとしても、難しいのが現状です。ただ可能性はゼロではない。とにかく「今年のグランプリはつまらない」とファンに思わせてはいけない。粋なサプライズがあってもいいのでは?と1人の競輪ファンとしては思うのです。

落車した後で必死にゴールを目指す深谷を場内のファンが深谷コールで後押し

(岡田 光広)
※18年1月10日付・大阪版