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【29日平塚ヤンググランプリ 出場9選手紹介】

~109期・竹内翼 決める稲妻先行~

 〝キャプテン翼〟になる夢は絶たれたが、サッカーボールを自転車に換えて大ブレイク。元Jリーガーの竹内翼(26)が29日に行われる平塚ヤンググランプリ(GⅡ)で主役の座を狙う。プロサッカー選手としては期待された活躍はできなかったが、挫折をバネに猛発奮。今ではS級上位で活躍中だ。自慢の先行力に磨きをかけてタイトル獲得を目指す。

 名前通り、人気漫画「キャプテン翼」の主人公・大空翼から命名された竹内翼。広島観音高校では全国高校サッカー選手権でベスト8に進出。U―18日本代表候補に選出されるなど将来を嘱望されるサッカー選手だった。「一緒に練習していた柴崎岳、宇佐見貴史が日本代表に選ばれた」。高校卒業後はJ2のファジアーノ岡山に所属。4年間、プロサッカー選手としてプレーしたが、大成することはできなかった。「この名前をつけてくれたのだし、親もサッカー選手として活躍することを期待していたと思う。全く期待に応えられず申し訳なくて…」

 競輪転向後はその悔しさを胸にあっという間にS級まで駆け上がった。昨年7月にデビューしてわずか半年でS級へ。「高校を卒業してすぐに競輪選手になっていたら、こんなに早くS級に上がれていなかったと思う。あの4年間は決して無駄な時間ではなかった」と話すように、挫折をバネに大きく飛躍した。「今年一年、ヤンググランプリに出ることを目標に頑張って来た。大きなレースに出ることで少しは親孝行ができたかな」と話している。

 ヤング組では唯一、本番となる平塚バンクを直前に経験できた。11月10~12日の平塚FⅠで成績は2、7、3着。「準決ではふがいないレースをしてしまったが、初日、最終日は先行して粘る自分本来のレースができた。ここのバンクは軽くて走りやすい。凄く掛かる」と本番に向け大きな収穫を得られた3日間だった。

 サッカー時代は重戦車と評されたイタリア代表FWのビエリが目標だった。「力強さに魅力を感じた」。競輪では「同じ竹内姓だし、今は竹内雄作さんが目標。あの先行力は凄い」。共にガッチリした体形でパワフルにゴールを目指すところが共通点。憧れの存在に少しでも近づくため、鍛錬の日々は続く。

 「足が速かったのでサッカーではFWを。当時から相手を追いかけるより相手から逃げる方。だから、逃げる先行選手が合っているのかもしれない」と笑う。「ヤングググランプリと同じくらい重要」と話す地元の広島記念(21~24日)で弾みをつけて本番に臨む。

 出場9選手で109期は太田竜馬と2人だけ。スターぞろいの107期に挑む。最後の最後、9番目に出場権を得た竹内だが、臆するところはみじんもない。サッカーで培ったガッツと反骨心で晴れの舞台で持ち味を十二分に発揮する。

~107期・取鳥雄吾「先行主体ぶれないように」~

 年末に向けて手応えは上昇している。11月の奈良で新車を投入すると今月の小倉で5月広島以来となるS級2度目の優勝を飾った。「YGPをみすえて新車を作った。奈良で優勝はできなかったけど3日間の内容が良く自分でも驚くほどスピードに乗っていた」。一時期は戦法の幅を広げようとしたことが裏目に出て成績を崩した。「先行主体に戻してぶれないように」。原点回帰で立て直した。昨年末は7着も先行で見せ場は作った。ラストチャンスの今年は最高の結果を求めていく。

~107期・山岸佳太 GⅠ苦戦課題も「プラスに考えて」~

 8月小田原GⅢで無欲の逃げ切りV。S級初優勝と同時に107期で2人目となる記念覇者の仲間入りを果たした。これで一気に注目を集めたがGⅠ10月寛仁親王牌と11月競輪祭は1度も連に絡めずほろ苦い結果に終わった。「寛仁親王牌は初めてのGⅠで何もできなかったイメージ。脚力、気持ちの面で上位とは差がある」。課題は山積みだが、伸びしろも多く見込める。「年末まではプラスに考えて高めていきたい」と前向きにとらえた。茨城連係は微妙だが3番手でも侮れない。

~107期・堀内俊輔 地元神奈川ただ一人「アピールの場」~

 2月川崎でS級初V、翌月の大垣で2度目の優勝と昨年以上に結果を残した。ただGⅠ初出場だった10月寛仁親王牌は1次予選敗退。上位が相手では苦戦している。
 「GⅡ、GⅠと走って力の差を感じた。先をみすえて練習していかないと大きなところで通用しないと痛感した」。ホームバンクは川崎だが地元の神奈川県からはただ1人出場権を手に入れた。「アピールの場になるし出るからには優勝を狙っていきたい」。ツボにはまった時の破壊力は魅力十分。波乱を巻き起こせ。

~107期・鈴木竜士 復調兆し「出場するからにはいいレースを」~


 昨年はS級2Vと頭角を現したが今年は落車のケガが響き、ここまで優勝はなし。苦しんだ1年だったが今月の別府記念で準決まで進んだように復調のきざしはつかんでいる。「今は来年に向けて頑張りたい気持ちが強い。それでも出場するからにはいいレースを見せたいです」。1年前のYGPは逃げた取鳥を追走して番手まくりも3着と絶好の展開を生かせなかった。同県同期の吉田、山岸に水をあけられたが負けん気は人一倍。年末決戦を制して来年の年男が一気に飛躍する。

~107期・小川真太郎 ダッシュ力強化「競走が楽になった」~
 年末に向けた特訓の効果はてき面だ。同県の後輩・太田マークとなる小川はグングン手応えがアップしている。「情けない動きはできないし(太田に)付いていけるようにダッシュばかり練習していたら競走が楽になりました」。課題だったダッシュ力が強化されたことで競走得点は右肩上がり。前回の佐世保記念は連勝で準決進出と活躍した。「最近は調子がいいし年末に向けて気合が入っている」。阿波の新星に離れず追走していけばチャンスあり。後は直線を鋭く突き抜けろ。

~107期・吉田拓矢 競輪祭で再浮上「落ち着いて行けた」~


 6月高松宮記念杯でGⅠ初優出。一気にスター街道を突き進むかと思われたが8 月オールスターは2次予選敗退、10月寛仁親王牌は1次予選で散った。勢いは影を潜めたが11月競輪祭は準決に進み浮上のきっかけをつかんだ。「2次予選は落ち着いて行けました」。GP戦士の武田豊も追走しながら吉田の成長を感じ取っている。
 「若い選手はまだまだ力を発揮できないところがあるけどデビューの時と違ってレースが見えてきている」。昨年の大会はオール単騎の中で人気を集めながら4着に敗れ た。今年こそ頂点をつかみ取る。

~109期・太田竜馬「意識せず楽しみたい」~

 109期の出世頭・太田が同世代の頂点をにらむ。今年4回出場したGⅠ、GⅡでは16戦6勝。直前の伊東記念は予選から逃げ切り3連勝で勝ち上がり決勝2着の好成績を残した。ヤングGPでも人気を背負うが「意識しすぎると自滅してしまう。楽しみたい」と話す。舞台となる平塚は6月に走り準V(①①❷着)。「決勝はパーキンスに踏み負けたけど、外国人選手より強い人はいないのでね(笑い)」。機動力は既にS級トップクラスに匹敵。徳島からニュースターが誕生する。

~107期・新山響平 昨年落車のリベンジ「感覚戻している」~


 落車に泣いた昨年のリベンジだ。今年は立川ヤングGPで落車した影響を引きずりながら始動。函館記念を制し、競輪祭で決勝に駒を進めた昨年のようなパフォーマンスは見せられなかったが、11月30日に静岡へ冬季移動してから調子が上向いている。「今はマッサージしてくれる方の言葉を信じて体の感覚を戻している。ペダリングも意識せずに回せればやれそう」と確かな手応えをつかんで大一番に向かう。「今年は落車しないように」と冗談めかすが、勝ちたい思いは人一倍だ。