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【30日KEIRINグランプリ 出場9選手紹介】

<新田祐大「しっかりいいレースをして締めくくる」>

 20日、都内でのグランプリ前夜祭。新田は大一番を前に「2017年の総まとめ。しっかりいいレースをして締めくくれるように」と決意を述べた。今年は心身ともにスケールアップ。6月以降にビッグで3V、決勝2着が2回。最後のGⅠ、11月小倉競輪祭では異次元のスピードで他を圧倒し、改めて〝実力No・1〟を強く印象づけた。

 トップレベルのスピードは以前から。それが、ここへ来てさらに加速している。今の新田にとって最大の目標は東京五輪でのメダル獲得。そこへ向けた厳しいトレーニングが本業の競輪にも生かされている。生活は競技最優先。伊豆に住まいを移し、フランスから招かれたブノワヘッドコーチのもとで今までにない新しい練習メニューに取り組んでいる。「前半戦は苦しくて、ダービー(5月)も決勝に乗れなかった。肉体的にもダメージが大きくて耐えきれないと思うことは何度もあった」。環境の変化に対応するまでには数カ月を要したが、6月のGⅠ、岸和田高松宮記念杯で今年初のビッグ制覇。心の中にあった不安な気持ちが、ここで一気に解消された。「新しい環境に慣れてきたことが宮杯の優勝と、それ以降の成績につながった。乗り切るというより〝共存する〟という感じで成績を出せるようになったと思う。現段階での賞金1位という状態にもなった」。元々の高いポテンシャルと新たな環境、この2つが相乗効果を生み、〝日本のトップ〟をさらに成長させた。

 自身が「賞金1位」と触れた今年の獲得額は1億5197万円。グランプリを勝てば今年の賞金王に輝くだけでなく、歴代の年間最高獲得額でも記録を塗り替えることになる。ダービーとオールスターを勝った15年も、グランプリ前に賞金額は1億5千万円を超えていたが、この時は浅井康太に破れて2着。年間MVPには選ばれたが賞金王は逃した。「グランプリに出ることが目標ではないが、ホッとしている。グランプリに出るから高揚しているのではなく、しっかり走る」。もちろん〝しっかり走る〟の意味するところは〝しっかり勝つ〟だ。進化したスピードスターが、4回目の挑戦で年末の頂上決戦を制す。

<渡辺一成「最後は2人でいい勝負がしたい」>

 ともに歩み、ともに戦う。渡辺は「一番強い」と絶対の信頼を寄せる新田に全てを託す。昨年のGⅠ初制覇(2月全日本選抜)に続き、今年は8月オールスターと10月寛仁親王牌でV。まくった新田の後ろ回りから差して2冠を獲得した。「今年はS班でGⅠが特選以上のスタート。勝ち上がりが有利だった。その中で強い新田君の後ろを回る機会が多かったことが、今の自分の成績につながった」。ナショナルチームでは東京五輪を目指して厳しい練習に励む仲間同士。相性抜群の後輩との〝最強タッグ〟で頂点をにらむ。

 平塚での一発勝負に悪いイメージはない。11年GPシリーズ2日目の「ナショナルチームカップ」。その時は坂本貴史―新田の3番手。展開で連結が外れたが自らまくって優勝を決めた。ここで目指すのはオールスター、親王牌決勝でも実現させた新田とのワンツー。もちろん勝つのは自分だ。ただ、やや心配なのがコンディションの面。11月初旬、W杯第1戦で落車、競輪祭を欠場した。20日の前夜祭では「今はトレーニングをしっかりできるようになってきた。W杯第4戦では、思った通りの成績は出なかったが全力で走りきれた。グランプリでは問題なく走れると思う」と説明。大きな影響はなさそうだ。

 「後ろで離れないように。自分のパフォーマンスを最大限に発揮して、最後は2人でいい勝負がしたい」。呼吸を合わせて新田の仕掛けにピタリ。こん身の差し込みで勝利をつかみ取る。

<深谷知広「何とか状態戻していいレースを」>



 深谷が3年ぶりにグランプリの舞台へ。中部は浅井と2人。自力勝負でハイパワーを見せる。東京五輪を目指して競技に復帰。新田らとナショナルチームでハードな練習をこなす。競輪祭決勝は8番手で動けず不発。6番手まくりを決めた新田とのライバル対決に敗れた。その悔しさも力となるか。12月半ば、練習中に痛めたという腰の具合は気になるが「何とか状態を戻していいレースをしたい」と回復に努めて決戦に挑む。

<浅井康太 ラスト大一番で今年一番の走りを>

 浅井は今年1年について「あまりいい成績を残すことができなかった」と振り返る。昨年の7Vから一転、今年はここまで1度も優勝がなかった。ただ、成績自体は安定。ダービーとオールスターでは決勝3着で表彰台に。注目度の高いラストの大一番。2年ぶり2回目の制覇へ、深谷マークから鋭く踏み込む。

<平原康多ー武田豊樹ー諸橋愛 関東3車結束>

 関東は平原が前で番手に武田、諸橋が3番手で3車結束。先頭の平原は2月全日本選抜で優勝のほか、今年は前半戦で安定した強さを発揮。「自分がこうしたいと思った走りが大体、思うようにできていた」という盤石さでビッグ戦線をリードしたが、後半戦は相次ぐ落車でリズムを崩した。「ケガが重なったり、自分の中で四苦八苦してかみ合わなかったり、中盤以降は悔いが残るレースばかりで…」。そんな中でも今年最後のGⅠ、競輪祭で決勝3着。努力を重ね、万全の状態に仕上げて本番に臨む。

 武田も今年序盤から好調な滑り出し。6月までは全ビッグで決勝へ。しかし、8月オールスターでの落車で骨盤骨折の重傷。勢いは戻らないままだ。それでも「しっかり走りながら治すということを自分自身で決めてやっていた」と姿勢は前向き。最終決戦での復活へ、平原目標に勝負に出る。


 諸橋はデビュー21年目で初のグランプリ。8月地元の弥彦記念優勝から勢いづきVラッシュ突入。9月共同通信社杯ほか今期4回の優勝で賞金加算、ベスト9の座をゲットした。「今年は風が吹いていたと思うし飛躍の年になった。しっかりラストのグランプリ、諦めないで頑張る」。あふれる闘志で存在感を示す。

<ダービーの再現狙う 三谷&桑原>

 100期代で初のグランプリ出場となるのが三谷。5月ダービーでGⅠ初制覇。新世代の旗手として飛躍が期待されたが落車が続き、後半戦は勢いに乗れなかった。それでも20日の前夜祭では「ここに来て好調になってきた。とりあえずいい1年になっているなと思う」と回復気配であることを明言。ダービー優勝時と同じ黒の2番車で、再びスマートな運びを見せる。


 桑原は地道な努力を実らせ、賞金9位で最後のGP切符を獲得。「コツコツやって来た成果が一気に現れたかなという感じ」。ダービーで決勝に進み三谷マークから2着。ここで大きく賞金を加算。夢の舞台が一気に近づいた。「桑原さんが付いてくれるし、ダービーの再現ができるように」と三谷が話すと「そういうことです。ダービーの再現ですね」と桑原。年間最高のレースで再び息を合わせる。