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ガールズケイリンの軌跡③ 106期 高木真備

ガールズケイリンの軌跡③106期

 

2012年7月に48年ぶりに復活した女子競輪の軌跡をたどる。
 
3回目の今回は〝黄金世代〟とも言える14年デビューの3期生に着目。その中でも、可愛らしいルックスと抜群のスピードを併せ持つ高木真備(まきび、25=東京)にスポットを当てる。現在、超一流の強さと人気を誇るトップレーサーの名前の由来、成長の裏話に迫る。
 
また、今や世界を舞台に闘う小林優香(26=福岡)をはじめ強豪レーサーそろう106期を紹介。

 

 

高木 真備

 

負けず嫌い

 

 
 ハートがあしらわれたピンクの自転車がよく似合う高木。登録地は東京だが、生まれは父の転勤先だった岡山県真備町(まきびちょう、現倉敷市)。両親の「少しでも人の役に立つような人になってもらいたい」という思いから、郷土の偉人で遣唐使として活躍した吉備真備から「真備」と命名された。高校までハンドボールに打ち込んでいたが、母の勧めでガールズケイリンの道へ進む。
 
 自転車競技歴は浅かったが、高いポテンシャルを生かし競輪学校(現日本競輪選手養成所)では在校2位と好成績を残した。14年5月に奈良でデビューしてから、脚力をつけるためにも先行一本で勝負。当初は走り終わると酸欠で何度も倒れ込み、周囲にあざ笑われた。「何度もバカにされて…。本当に苦しくて倒れていたのに。だから、絶対に見返そうと思ったんです。先行して強くなってやろうと」。負けず嫌いのハートに火が付いた。
 
 先行に打ち込んだ成果が実を結び始めたのは16年。「ペース配分を覚えて周りが見えるようになった」と8月の松戸でガールズコレクション初優勝し、ガールズグランプリにも初出場。抜群のスピードと持久力を身につけ誰もが認めるトップレーサーへと成長した。
 
 「自転車は好きだけど、それ以上に7人で競い合うのが好き。勝負事が好きなんです」と口にしていた、負けず嫌いな高木。今年もここまで27戦23勝2着3回と安定した走りを披露している。念願のガールズグランプリ制覇へ、才色兼備の真備が闘志を燃やす。

 

競技専念で五輪メダル獲り 小林優香

 

 大舞台で活躍する選手が多い106期の中でもひときわ輝きを放つのが、小林優香だ。在校時代も圧倒的な成績で卒業すると、デビューから無傷の22連勝など白星を量産。2年目の15年にはガールズグランプリで初優勝しトップに君臨した。現在は「東京五輪で金メダルを獲ることが夢。それが自転車を始めたきっかけでもあるので、絶対にかなえたい」と東京五輪を目指し自転車競技に専念。五輪で女子自転車競技初のメダルへさらなる進化を遂げる。
 
 加えて徹底先行が売りの奥井迪(ふみ、38=東京)や石井貴子(30=千葉)、長沢彩(31=愛知)も忘れてはいけない。中でも奥井は19年1月にガールズ史上初の通算300勝を達成し歴史に名を刻んだ。トップで活躍する選手が多い3期生はまさに〝黄金世代〟といえる。
 

第3回GPは梶田舞が大本命破る

 
 104期がデビューした14年の第3回ガールズグランプリは岸和田で行われた。ここまでデビューから45戦44勝2着1回と抜群の成績を残していた超新星・小林が大本命とされていた。しかし、勝ったのは8月の西武園で唯一小林に土を付けていた梶田。前を取った梶田は打鐘すぎから仕掛けた山原を加瀬と併走で追う形に。最終3角で、先にまくった加瀬を追走しゴール前鋭く差し切り初の頂点に輝いた。「もちろん小林さんを一番意識していたけど、今回は全員が強い中での戦い。それで日本一になれたことは本当にうれしい」と笑顔。小林の連勝を再度止めた梶田が寒空に舞った。