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ガールズケイリンの軌跡⑤ 110期 鈴木奈央

ガールズケイリンの軌跡⑤110期

 

 2012年7月に48年ぶりに復活した女子競輪の軌跡をたどる。

 

 5回目は16年デビューの5期生・110期。アマチュア時代から自転車競技で活躍した鈴木奈央(23=静岡)にスポットライトを当てる。現在、ナショナルチームに所属し、競技と競輪を両立。今後の飛躍が期待される23歳だ。

 

 鈴木奈と同学年で卒業記念レースを制した土屋珠里(23=栃木)にも注目した。

 

鈴木 奈央

 

高校時代から国内外で活躍

 

 「勝負、大好きです。この世界に入って良かったと思います」。鈴木奈央は語った。競技では世界を舞台に戦う23歳は叔父の影響で小学2年から自転車競技を始めた。星陵高(静岡)では13、14年、全国高校選抜自転車競技大会で史上初となる女子ケイリンと同500㍍タイムトライアルの2年連続2冠を達成。さらに15年のアジアジュニア自転車競技選手権大会でもケイリンとスクラッチの2冠を獲得。国内外で華々しく活躍した。

 

 高校卒業後は大学で自転車競技を続けることも考えた。しかし、「テレビでレースを見て〝ここで走りたい〟と思った」。競輪学校(現日本競輪選手養成所)への入学を選んだ。

 

 周囲の期待通り、在校成績1位で卒業。デビュー2場所目の平塚で初優勝。ニューヒロイン誕生を予感させた。しかし、その後、思うような結果が出ていない。通算優勝は8回。期待が大きかっただけに、やや物足りなさを感じる。

 

 現在はナショナルチームに所属。自転車競技とガールズケイリンの両立をこなす。3年前、斡旋が入って成人式への出席を断念。ただ、本紙の企画で振り袖姿を披露した。「グランプリの前夜祭で、また着物に袖を通せたら…」。自転車競技とガールズケイリン。2つの車輪に2つの思いを乗せて、23歳はきょうも走る。

 

卒業記念レース制した土屋珠里

 

 自転車競技歴の長かった鈴木奈を抑え、卒業記念レースを制したのが土屋珠里。中学、高校と陸上競技の中距離に励んだが「人生は一度きり。新しいことに挑戦したい」とガールズケイリンの門を叩いた。入学時は当然ながら周りと脚力の差があった。「7回くらい落車した。5回生で一番多いかも」。経験の差を努力で埋めた。連日、早朝練習に取り組み、競走訓練では先行勝負を貫いた。記録会では常に上位のタイムを出すまでに成長。集大成となる卒業記念で、ついに同期№1の座を手にした。

 

 16年7月名古屋でデビューし、いきなり白星を挙げるも決勝で失格。次の前橋では落車とつまずいた。17年7月に初優勝。ここまで4度、優勝した。ただ、同期全員を追い抜いてトップに立った競輪学校時代を思えば、もっとはばたいていい。23歳。伸びしろはまだたっぷりとあるはずだ。

 

梶田舞 女王返り咲き

 

 110期がデビューした16年、第5回ガールズグランプリが立川で行われた。同年8月以降、28戦26勝。圧巻の強さを誇っていた梶田が14年以来2年ぶりとなる2度目の頂点をつかんだ。

 

 スタートから2番手を確保。奥井が主導権を取ると好位3番手へ切り替え、まくってきた児玉に合わせて直線で突き抜けた。「直線の伸びは練習していた。出せて良かった。私の持ち味。届くと思っていました」。〝らしさ〟を存分に発揮しての完勝。「思った展開と違ったけど、その中で動けたのはグランプリでは初めてでビックリ。うまく立ち回れたし落ち着いて行けた」。さらなる進化を遂げての女王返り咲きだった。