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ガールズケイリンの軌跡⑥ 112期 梅川風子

ガールズケイリンの軌跡⑥112期

 

2012年7月に48年ぶりに復活した女子競輪の軌跡をたどる。
 
6回目は17年デビューの6期生・112期をピックアップ。スピードスケートから転向して18、19年と2年連続ガールズグランプリに出場している梅川風子(29=東京)にスポットを当てる。スピードスケートで鍛えられた脚力から生み出されるスピードは超一流だ。
 
また、18年のガールズグランプリに出場し初のタイトル奪取が期待される鈴木美教(25=静岡)にも注目する。
 

在校時代に同部屋だった吉村と2ショットの梅川(右)

 

梅川  風子

 

スケートで鍛えた脚力

 

 「このままでは終われない。スポーツ選手として自分の可能性を広げたい」。梅川風子は戦いの場をリンクからバンクに変えた。生まれ育った長野県で、4歳からスピードスケートを始める。山梨学院4年時の12年に全日本学生スピードスケート選手権500㍍で優勝の実績を誇る。その後も実業団で氷を蹴ったが「契約は2年で延長が厳しかった」と引退。次なる道として選んだのがガールズケイリンだった。
 
 競輪学校(現日本競輪選手養成所)では女子生徒史上2人目のゴールデンキャップを獲得。さらに卒業記念も制し、スケートで鍛えた脚力は自転車でも発揮された。17年7月、地元・京王閣でデビューし、2日目に初勝利、9月の弥彦で初優勝を飾るとその後も白星を重ねていった。
 
 デビュー2年目の18年11月にガールズグランプリトライアルを制して「信じられない」と喜びを語った。賞金ランク11位から逆転で暮れの大一番初出場を決め、翌年のトライアルも「この2カ月は毎週レースが続いて体の状態は最悪でした」としながらも女王・児玉碧衣(25=福岡)を捉えて連覇を達成。2年連続でガールズグランプリ出場を果たした。
 
 昨年は2年連続最高峰の舞台に立ったが、落車再入と力を出し切れず。今年は1月からガールズコレクショントライアルを含め5連続優勝など、強じんな脚力にさらなる磨きがかかった。スピードスケートで培った脚力に経験が加わった梅川。今年こそ頂点をつかむ。
 
鈴木美教 試練乗り越え初タイトルだ

 

 112期で梅川ともう一人グランプリ出場経験があるのが鈴木美教。18年地元・静岡で大舞台出場を果たしたが、「出るだけで終わってしまいました」と結果は7着。
 
 「あの場所にもう1回出て結果を残したい」とリベンジを誓ったが、翌19年は試練の年に。斡旋停止に加えて、落車で肺挫傷と前歯が欠ける大ケガを負った。約2カ月の欠場もあり、2年連続のグランプリ出場には届かず。それでも「あの時のケガがあって今があると思うんです。落車を乗り越えて見えてきたものがありました」。試練が鈴木を強くした。
 
 今年は3度の優勝、着外になったのも福井のガールズコレクションだけと、抜群の安定感を誇る。「賞金ボードを掲げること」と今年の目標を掲げた25歳。初タイトル、そして2度目の暮れの大舞台も目の前だ。
 

石井寛子 女王返り咲き

 

 112期がデビューした17年の第6回ガールズグランプリは平塚で行われた。制したのはデビュー5年目の石井寛子。5度目の挑戦で初の頂点に輝いた。
 
 外枠7番車だったが「絶対に前の位置を取ると決めていた」と周回中は2番手。打鐘前から動いて先頭に立ち、逃げた奥井に飛び付く。長沢との並走に踏み勝ち、最後の直線は見事なハンドル投げでタイヤ差(約3センチ)で奥井を捉えた。「今年はグランプリで優勝することだけを考えた。優勝だけを見てギアを上げたり練習方法を変えたり。努力してきて良かった」。4度の悔し涙を糧に強くなった〝京王閣の小悪魔〟の頰にうれし涙が伝った。