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ガールズケイリンの軌跡⑦ 114期 佐藤水菜

ガールズケイリンの軌跡⑦114期

 

2012年7月に48年ぶりに復活した女子競輪の軌跡をたどる。
 
7回目の今回は18年デビューの7期生・114期に着目。その中でも、〝神奈川の天才少女〟佐藤水菜(みな、21=神奈川)にスポットを当てる。デビューから2年たたずに26回の優勝。昨年はガールズグランプリ出場も果たした21歳に迫る。さらに、在校成績は14位と決して高くなかったが、ここまで3度の優勝と成長著しい当銘(とめ)直美(23=愛知)にも迫る。(随時掲載)。
 

 

佐藤 水菜

 

卒記の悔しさ糧に頂点へ

 

 昨年デビュー2年目でガールズグランプリに出場した佐藤水菜。「私もやってみようと思った。父になら勝てるんじゃないかな」。中学までソフトテニス部に所属していたが、自転車競技で国体に出場した経験がある父の影響で茅ケ崎高2年から自転車にまたがる。同じ神奈川で108期の尾崎睦(35)と一緒に走ったことが契機となり「同じ土俵に立ってみたい。戦って勝ちたい」とガールズケイリンの道へ。
 
 卒業記念レースでは、完全Vに王手を懸けるも、決勝で3着。「悔しい…。メンタル的にも練習不足。今日の反省を生かして、デビューしてからは同じ過ちをしたくない」。この涙の決意が快進撃につながった。18年7月、四日市でのデビュー戦で白星を挙げると、18年は半年で5度の優勝。新人離れした強さを見せた。 19年もその快進撃は続き児玉碧衣(25=福岡)に次ぐ年間18度の優勝、獲得賞金は5位。年末の大舞台にも立ち、一気にスター街道を駆け上がった。
 
 今年はらしくない成績も続いたが、直近の伊東では復調を示す力強い動きで予選連勝。強い佐藤が帰ってきた。卒業記念で見せた悔し涙を歓喜の涙へ。21歳の〝神奈川の天才少女〟が天下を獲る日も遠くない。
 
当銘直美 急成長「周りのおかげ」

 

 114期で劇的な成長曲線をたどっているのが当銘直美。在校成績は卒業した21人中14位と良くはなかった。当初「3年以内に優勝」という目標を立てデビューするも初陣は6、6、7着と散々な結果に終わり目標達成は遠く感じた。しかし、「周りの人が練習を見てくれたおかげ」と急成長を遂げデビュー1年2カ月後に初優勝。今年も梅川風子(29=東京)を破ってのVなど2回優勝と、成長は止まらない。さらに、4月の佐世保で女王・児玉碧衣(25=福岡)を½車輪差まで追い詰めた。これは今年、児玉が勝ったレースの最小着差だ。
 
 今は他の選手追走から直線勝負のレースが多いが、「強い人は自力で勝てる」と自力を発揮する練習に取り組んでいる。今月、妹・沙恵美(21=愛知)がデビュー予定で先輩、姉としても負けられないという刺激になるだろう。さらなる進化を遂げ大舞台で活躍する可能性も十分だ。
 

児玉碧衣 3度目の正直V

 

 114期がデビューした18年の第7回ガールズグランプリは静岡で行われた。今や〝絶対女王〟として君臨する児玉碧衣が3度目の挑戦で初の栄冠を手にした。残り1周で誰も動かずスローな展開。1角から高木が先行体勢に入ると、児玉は「誰かが発進したら勢いをもらおうと考えていたら高木さんが行った。スピードに乗っていたし4角を回った時には優勝が決まったなと思いました」と冷静に立ち回り、得意のまくりでねじ伏せた。大一番に弱いと言われていたが、この年の8月ガールズドリームレースを制覇。「〝勝つという強い気持ちが最大の武器になる〟ということが分かった」と女王への最後のピースだった精神力まで手に入れた。〝碧衣時代〟到来を予感させる完勝で18年を締めくくった。