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ガールズ競輪の軌跡② 104期 石井寛子

ガールズケイリンの軌跡②104期

 

 2012年7月に48年ぶりに復活した女子競輪の軌跡をたどる。

 

 2回目の今回はアマチュア時代から活躍著しかった〝京王閣の小悪魔〟石井寛子(34=東京)にスポットを当てる。その走りは記憶、記録にも残る存在。そんな石井寛のデビューから現在までを追う。

 

 また、2度ガールズグランプリを制した梶田舞(33=栃木)にも着目した。

 

 

石井 寛子

 

通算100勝にリーチ

 

 高校時代も自転車部に所属していたが「初めてバンクで練習して、やればやるだけタイムが出る。楽しくて完璧にはまった」と石井寛は明大に進学後自転車にのめり込んでいった。12年に行われたW杯(コロンビア大会)チームスプリントで日本女子初の銀メダルを獲得するなど、アマチュア時代から活躍。鳴り物入りで競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学すると在校中57戦して52勝、卒業記念レースも完全優勝と圧倒的強さを誇った。

 

 13年5月、地元の京王閣でプロデビューしいきなり完全優勝。「こんなにたくさんのファンに見てもらえて幸せ。この走りをずっと練習してきた」と初々しく喜んだ。その後も桁外れの脚力と巧みなレース運びで白星を量産。そのキュートなルックスからも一躍人気となった。

 

 デビューから5年目には約3㌢差の攻防を制し悲願のグランプリ制覇を果たした。その際、優勝賞金1000万円の使い道については「一部を東日本大震災や熊本地震の被災地に寄付します」。〝京王閣の小悪魔〟は女神のような優しさを併せ持つ。

 

 グランプリ制覇後も大舞台で活躍し石井寛の強さは記憶にも残っているが、記録にも残る。19年2月にはガールズ史上2人目となる通算300勝を達成。同年8月にはガールズ史上初の通算獲得賞金1億円突破。そして、今年4月の伊東で通算99回目の優勝を飾り前人未到の通算100Vにリーチをかけた。
 〝小悪魔〟が〝レジェンド〟へ変わる日も近い。

 

実績十分 梶田 舞

 

 104期で石井寛にも負けない実績を誇るのが梶田だ。トライアスロン出身で自転車競技経験は浅かったが、高いポテンシャルを生かし在校成績5位で卒業。デビュー後はレース経験を積むごとに1着の数が増えていき、14年には当時22連勝中だったルーキー小林優香(26=福岡)を破りガールズグランプリ初制覇。

 

 小林のデビューからの連勝も止めた梶田は「もちろん小林さんを一番意識していたけど、今回は全員が強い中での戦い。それで日本一になれたことは本当にうれしい」語った。16年には7月のガールズフェスティバルと2度目となるガールズグランプリを制覇。さらには11月から17年3月まで24連勝という記録を打ち立て、まさに主演女優だった。

 

 近況、大舞台の優勝からは遠ざかっているが、力が衰えたわけではない。史上初となる3度目のガールズグランプリ制覇も夢ではない。また年末に梶田が宙に舞う姿をファンは待っている。

 

第2回GPは中村由香里が雪辱果たす

 

 104期がデビューした13年の第2回ガールズグランプリは立川で行われた。ここまで37戦して34勝と無類の強さを誇っていたルーキー石井寛に注目が集まったが、1期生の中村が意地を見せた。

 

 前年は人気を背負うも見せ場なく7着だった中村。「おまえのせいで何万も損したんだぞ」と強烈なヤジが聞こえたという。「あのレースがあったからこそ1年間、攻める気持ちでやってこられた。グランプリも前々へ攻める気持ちを忘れなかった」と力に変えた。勝負どころの最終バックすぎ瞬時の判断で、加瀬の後位につけ直線勝負。「かわせるかどうかは分からなかった。でも、自分の持ち味の最後まで諦めない気持ちで」踏み続けたことで、⅛車輪差でのリベンジを果たした。