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燃えるキュート系 20歳の鈴木に注目

 あでやかな赤い振り袖に身を包んだ鈴木が勝負の神様、富岡八幡宮(東京都江東区)で、じっと手を合わせた。まだ19歳だが、横顔には勝負師の雰囲気が備わっていた。「勝負、大好きです。この世界に入って良かったと思います」
 小2の時、自転車に詳しい知り合いがロードバイクを組んでくれたことが自転車人生の始まり。星陵高(静岡)で華々しく活躍し、アマチュア界にその存在を広く知られた。卒業後、大学へ進学して競技を続けるのか、競輪学校に入ってガールズ選手を目指すのかが大きな注目を集めたほどだ。結局、大学には進まず競輪学校へ。「最後の最後まで迷った。でも早く選手になって、いい自転車をいっぱい買いたいと思った」
 周囲の期待通りに競輪学校では在校成績1位。中村由香里、石井寛子、小林優香、尾崎睦…。過去の在校1位の選手と同様にデビュー後はトップ選手として大活躍が期待された。デビュー2場所目の平塚でいきなり初優勝。加瀬加奈子、児玉碧衣らの強敵をねじ伏せ、誰もがニューヒロインの誕生!!と色めき立った。だが、その後は決勝には駒を進めるもののVはなし。何か伸び悩んでいるのが現状だ。
「課題はダッシュ。先行したい気持ちは強いけど、なかなかさせてもらえない。結果、まくりに回ることが多くて…。先行して力で押し切るレースが理想」。10月の岩手国体ではスクラッチで落車するアクシデント。「今までで初めてといっていいくらいのケガだった。良くなるまで随分、時間がかかった」。右肩鎖関節の脱臼で1カ月半の戦線離脱という不運もあった。
 「まだ自分で納得できる結果は出ていない。今はしっかり自力で戦って、将来は勝てるような選手になりたい」。ナショナルチームに所属、3年後の東京五輪でメダルを目指すという大きな目標もある。「今年はガールズグランプリに出たい。ケガなく、1年を無事に走り切り、グランプリの前夜祭でまた着物に袖を通せたら…」。ここがリスタート。いくつもの目標に向け、鈴木が走り始めた。
※17年1月1日付・第二朝刊掲載