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【記者コラム】強い同期に追いつけ 渡辺豪大

 

 灼熱の中、甲子園が例年以上の盛り上がりを見せている。体調を崩さずに悔いのないプレーをと願うばかりだ。
競輪選手に元高校球児は多い。プロ野球選手だった松谷秀幸、伊代野貴照は当然、高校の時から注目されていたし、プロの道には進まなくても甲子園出場を果たした選手は何人もいる。野球で活躍した運動能力と体力は競輪でも大きな武器となるのだ。

 

 今、取材に来ている小松島でも野球で活躍した渡辺豪大(写真)がパワーあふれる走りを見せている。神奈川の名門・桐蔭学園での甲子園出場はならなかったが、愛知学院大では明治神宮野球大会で準優勝を果たしている。ただ4年になる時に「プロは無理」と、以後はコーチの立場でかかわった。卒業後はスポーツメーカーに就職。プロ野球の担当になり、そこでプロになる夢が再びわいてくる。そして「プロの世界で今からやれるのは競輪と思った」と選手の道を目指す。

 

 競輪学校はビッグレースで活躍する吉田拓矢を筆頭に強いと評判の107期で仲間とともに切磋琢磨(せっさたくま)を重ねた。デビュー後はケガの影響でやや出遅れたが、今年はFⅠ戦、GⅢ戦でもコンスタントに勝ち星を飾り、とくに6月宇都宮記念では3勝を挙げる活躍を見せた。「時間はかかりましたが同期はみんな強いので少しでも追いつきたい」と気合を込める。またデビューから3年がたったが「野球より競輪の方が苦しいです。味わったことのないきつさです」と苦笑い。逆にいえば自転車の経験が少ない分、伸びしろはたっぷりある。7日の小松島FⅠ準決勝は残念ながら落車でケガをした様子だが、野球で鍛えた体力とハートの強さで調子を戻してくるだろう。強い同期に負けない走りに注目だ。
(緒方泰士)

 

*2018年8月8日大阪版掲載