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【記者コラム】新人・渡辺直弥にキラリと光る大器の片りん

 

 113期と114期の新人選手がデビューし1カ月が経過した。競輪のデビュー戦に立ち会ったのはもちろん初めて。ボートレースの場合、ルーキーはほとんど不利な大外6コースからレースするため印は回らなかった。ところが競輪は即戦力ぞろい。悩んだあげく、新人の評価を下げたら痛い目に遭ったレースも。デビューから2場所連続完全優勝を達成したのは3人。磯川勝裕と嵯峨昇喜郎の連勝は止まったが、中嶋宣成は特別昇班を懸け12~14日の取手FⅡに臨む。

 

 その一方ですぐに結果が出ない選手もいるのが勝負の世界の厳しさ。渡辺直弥(22=静岡)はデビュー場所の和歌山⑥⑤⑤。続く静岡初日は3着となかなか勝てなかったが、2日目(7月28日)の準決勝で〝お目覚め〟の初1着。打鐘3角から抑え先行し、5番手から巻き返した111期・菱沼元樹との残り1周の踏み合いを制した。今年優勝2回の菱沼に踏み勝つ好内容で、キラリと光る大器の片りんを見せた。渡辺は「自信はあったのに練習でできたことを出せなくて。デビュー戦は散々だったけどこれで自信になった」。記念ウイナーの渡辺雄太を兄に持つプレッシャーはあるだろうが、3場所目の青森①②❻と軌道に乗った印象だ。ちなみに記念すべきデビュー初勝利の3連単配当は驚がくの22万円オーバーだった。早熟から晩成まで成長タイプは人それぞれだが、まだまだダイヤの原石はごろごろいる。

 

 余談だが、新人記者としてシンパシーを覚えた一幕があった。レースで1着を取った選手が同じレースを走った選手に飲み物を配る習わしがあるが、ある新人選手はまだ選手の顔と名前が一致せず渡すのに四苦八苦していた。これからこれから。この世界の片隅にいる私も頑張ろうと思った。

 

♤出田 竜祐(いでた・りゅうすけ)1980年(昭55)9月29日生まれ、熊本県出身の37歳。明大卒。05年スポニチ入社。芸能、サッカー、ボートレース担当を経て今年4月から競輪担当。最近うれしかったことは劇団四季ミュージカル「アラジン」を観劇。