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【記者コラム】追い込み選手の巻き返しに期待

 18日の高松宮記念杯の決勝戦は新田祐大が連覇を飾り、前半戦のビッグレースの日程は終了した。今年ビッグ戦スタートの2月全日本選抜は平原康多、GⅡのウィナーズカップは郡司浩平、そして日本選手権(ダービー)は三谷竜生と全て自力選手が勝利している。ただ、逃げ切りのレースはなくて、まくり、追い込みでのもの。脚力で上回る自力選手が展開も味方にして勝ち切っている印象が強い。平原の抜群の安定感、新田の屈指のスピード、郡司、三谷の勢いと、彼ら自力選手が後半戦もV争いの主役となりそうだ。

 対して追い込み選手は精彩を欠いている。そんな中、気を吐いたのが高松宮記念杯で決勝戦2着の成田和也=写真=だ。競輪界最強のダッシュ力を誇り、追走が困難な新田に2次予選、東王座、決勝と3度続き、決勝戦で新田と北日本ワンツーを決めた。「新田君と走ることが目標でした」。2次予選の後には感極まったような表情を見せた。それもここまでの道がつらく厳しいものだったからだ。

 12年にダービー、13年に高松宮記念杯と2回のGⅠを制し、日本一の追い込み選手の地位を不動にした。しかし、レースでの落車によるケガが続き、何度も長期欠場を余儀なくされた。昨年はGⅠに出場することすらかなわなかった。FⅠ戦でも力を出し切れないレースが続いたが、くさることなく努力を重ね復活の日を待った。そして今年からGⅠ戦線に戻り、高松宮記念杯を制した思い出の地、岸和田で輝きを取り戻す。

 レース展開の幅を広げる意味でも追い込み選手の存在は欠かせない。東では復活なった成田、西では孤軍奮闘を続ける園田匠に注目する。後半戦での追い込み陣の巻き返しに期待だ。(緒方 泰士)
※6月28日付・大阪版掲載