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【記者コラム】〝ど根性娘〟真備が新女王へ突き進む

 いわき平オールスター競輪の4日目(14日)に行われた「ガールズドリームレース」は高木真備(22=東京)が優勝した。まくった小林優香をゴール寸前で差し切り。着差はわずかタイヤ差。見応えのあるデッドヒートだった。ファン投票上位7人で争われる夢の一戦を連覇した高木は「一昨年は初出場、そして昨年初優勝。オールスターのコレクションは私にとって特別なレースなんです」と満面の笑み。思い入れの強いレースで手にした格別の1勝。アイドルレーサーが勝負強さを見せつけた。

 大一番まで順調ではなかった。5日決勝の豊橋でゴール後落車。激しくバンクに叩きつけられた。力を出し尽くした直後の落車は大ケガにつながる可能性が高い。まして男子に比べて落車が少ないガールズ。デビュー2回目の落車は心身共にダメージが大きいのでは…と心配した。

 それから中8日。高木は何事もなかったかのようにケロッとした表情で検車場に現れた。「ケガですか?左太腿の擦過傷だけ。体のケアなどいろいろな人に支えてもらった。投票してくれたファンの人のためにも頑張ります。実力だけでは出られないレースですから」。こう話す姿に悲壮感はなかった。いつもと変わらない笑顔だった。

 大一番で自慢の先行力は発揮できなかったが、勝負根性が勝利を呼び込んだ。小林にスイッチした時、梶田舞と併走が続いた。「うまく位置が取れて〝勝ちたい〟という強い気持ちを持って走った」。必死に食らいついて駆け抜けた栄光のVゴール。それでも「今度は先行とまくりで勝ちたい」。こう言い切れるところが強さの源だ。逆境を乗り越えメンタルも大きく成長した〝ど根性娘〟。年末の平塚ガールズGPは新女王候補の筆頭だ。

 ♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの33歳。06年スポニチ入社、大阪本社で2年、08年から東京本社で競輪担当。予想ではラインの結束力を第一に、近況の動き、調子を重視して本命を決めている。
※8月17日付・東京版掲載