ニュース

【記者コラム】裏方から主役になった〝後輩〟たち

 バンクで〝後輩〟が躍動している。自転車競技経験のない記者が「後輩」と呼べる選手がいるのは、大学時代に近畿の競輪場で落車救護のアルバイトをしていたから。選手の中には競輪学校に合格するまで、競輪のイロハを覚えるため将来の職場でアルバイトをする者が何人かいる。

 函館FⅡ(8月25~27日)に出走した109期の谷口友真(28=大阪、写真)は記者と同じく岸和田と和歌山で落車救護員をしていた一人。落車救護は転倒した選手に「乗りますか?」と3回連呼して再乗の意思を確認。選手が棄権すると、抱きかかえて(巨体の選手は大変)安全なバンクの内側まで退避させる。状況次第では強制退避のケースも。ケガ人は担架に乗せて駆け足で医務室へ。3年間、負傷者を運んだ谷口は「トップレーサーでは浅井康太さんを救護したことがある。岸和田グランプリ(14年)も経験できたし、いい思い出」と振り返る。

 〝下積み時代〟の経験が生きて競走得点90点オーバーの谷口。明るく人懐っこい性格は先輩に可愛がられるタイプ。近い将来、自慢の機動力を武器にS級で活躍するはずだ。谷口の同期で同じ大阪の酒井拳蔵(21)と堀僚介(22)、S級で活躍する和歌山の107期・小林史也(31)と中西大(26)も競輪場で働いた経験がある。

 女子では山本知佳(25=和歌山、110期)。和歌山の選手管理(参加中の選手の保護管理をする部署)でアルバイトをしていた。8月の地元戦で涙の初V。選手として一つ夢をかなえた。

 裏方からバンクの主役になった後輩たち。記者が迷わず◎を打てるような選手に成長してほしい。

♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの33歳。06年スポニチ入社、大阪本社で2年、08年から東京本社で競輪担当。予想ではラインの結束力を第一に、近況の動き、調子を重視して本命を決めている。