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【記者コラム】見たくない始まる前の落車

 ここ2カ月、考えがたい頻度でレース再発走に出くわしている。8月1日、函館のチャレンジ準決勝。茨木基成(東京)が発走直後に自転車から降りた。当初は「クリップバンド(ペダルとシューズを固定する器具)が外れたか」くらいの認識だったが、腱断裂の重傷で欠場に。レースはそのまま6車立てで行われたが「1車少なくて、やって良かったのかな」という選手の声も聞かれた。

 20日、静岡ガールズ予選2では大本命の山原さくら(高知)と坂本咲(神奈川)が落車。頭部を打撲した坂本が欠場して、レースは取りやめに。9月に入ってからも5日の弥彦S級戦で斎藤友幸(静岡)と菅田和宏(宮城)が発走直後に接触し斎藤が落車して欠場、こちらもレースは取りやめに。いずれも「公正安全な競走を実施するのが困難と判断した」のコメントが開催執務委員長、競技委員長から出された。

 7日の取手ガールズ予選1は外国人選手のモートン(オーストラリア)が日本初参戦となった注目レース。発走直後のゴチャつきで成田可菜絵(大阪)が落車。幸い成田は軽傷で再発走。無事レースは成立したが、成田は終始後方で影響がなかったとは思えないレースぶりだった。

 スタートして25㍍ラインを通過する前の落車は再発走となるルールだが、実際のところ、そうそう起きるものではない。函館を除けば選手同士の接触が要因。スピードが上がる前だけに何とか落車は避けられないものか。弥彦では車券の返還で約2000万円の売り上げがゼロに。戦いが始まる前のアクシデントはもう見たくない。

 ♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日、神奈川県生まれの53歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。最近は千葉競輪存続が喜ばしいニュース。選手会の署名活動を取材したこともあり、選手たちの笑顔が頭に浮かんだ。

※9月21日付・東京版掲載