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前橋GⅠ寛仁親王牌初日 深谷 世界の加速力でねじ伏せる

 「第26回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GⅠ)」(優勝賞金2890万円)は、きょう6日から4日間〝親王牌発祥の地〟前橋競輪場で開催される。初日は12R日本競輪選手会理事長杯がメイン。輪界・1のオールラウンダー・平原康多が自在に攻めて押し切るとみたが、別線も強敵ぞろい。深谷知広―浅井康太の中部コンビや早坂秀悟―新田祐大―渡辺一成で並ぶ北日本勢も差はなく激戦だ。

 3回目のGⅠ制覇へ機は熟した。青森記念を制した深谷が余勢を駆って競輪界の頂点へと突き進む。現在賞金ランク8位。GP出場を懸けて同7位・諸橋との賞金争いに注目が集まるが「優勝さえすれば関係ない。賞金を積み上げながら優勝を狙っていく」と話す。そうは言いつつも「松戸記念は他の人(諸橋以外)を応援していた」と本音がポロリ。一戦一戦を集中して走り、GPロードへとつなげていく。

 日の丸を背負い意識が変わった。今年8月の豊橋記念後に、20年の東京五輪出場を目指しナショナルチーム入り。伊豆に拠点を移し自転車競技を再開したことが大きな転機になった。短距離ヘッドコーチのブノワ・ベトゥ氏に指導を受け、さらなる才能が引き出されている。最新鋭のデータに基づくハードなトレーニング。「今までやったことがない練習もあり刺激ばかり。あんなにいい環境はない。外国人勢が強い理由が分かる」。常に疲労がのしかかるが「少しずつ対応できている。できる限りのリカバリーをして疲れがある中でいかに戦うか」と言い訳にはしない。「間違いなく競輪人生で一番練習している瞬間。成果はすぐに出るものではないが、プラスになったことを生かして走りたい」。誰よりも体を鍛え、ペダルを踏み、汗を流してきた。練習量は裏切らない。自分を信じる気持ちの強さが躍進を支えている。

 舞台は天国と地獄を味わった前橋バンク。11年6月の高松宮記念杯でデビュー史上最速(684日)GⅠ優勝。だが、12、14年のオールスターでは連続落車の憂き目に遭った。栄冠と挫折。前橋ドームでは酸いも甘いもかみ分けた。全プロのケイリン優勝でつかみ取った12R理事長杯。世界に挑む加速力でライバルたちをねじ伏せる。
(小野 祐一)