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【記者コラム】競輪の難しさと奥深さを教えてくれた千葉バンク

500バンク最後の千葉記念は佐藤博紀の記念初決勝初優勝で幕を閉じた。12月15~17日のFⅠ戦が終わればバンクは取り壊され、屋内板張りの250バンクに建て替えられる。長走路に響き渡るゆったりとした打鐘の音。500バンクらしい駆け引きと力勝負は今年いっぱい。そう思うと一抹の寂しさを覚えた。
JR千葉駅から歩けば、四季の変化が感じられる千葉公園を通り抜けて競輪場へたどり着く。木々の緑と小鳥のさえずり。心が洗われて「今日は車券がもうかる気がする」。こう思いながら公園内をよく歩いた。

千葉記念では出場選手に千葉での思い出を振り返ってもらった。実力者の伏見俊昭は「S級初Vを決めたのが千葉。そのイメージが強い。00年のダービーでは優勝した先輩の岡部さんをずっと待っていたのがいい思い出」。地元の海老根恵太は「05年に初めて地元記念を勝てたこと。山口幸二さんが番手に付いてくれて、まくりでワンツーが決まった」。千葉の支部長を務める中村浩士は「生活の一部ですから。汗を流した日々ですね」。3人ともしみじみと話した。

記者の思い出は14年1月のFⅠ決勝。南関勢が小埜正義―石井秀治―鈴木誠―宮倉勇―福田知也の5人で結束した。別線は篠塚光一―高城信雄、屋良朝春―明田春喜。人気は石井―鈴木の折り返しで記者も迷わず本命対抗をつけた。「これは年に一度あるかないかの銀行レース」と信じて疑わなかった。だが結果は…。南関5番手を固めた福田が優勝。鈴木2着、宮倉3着で3連単は11万円の波乱決着。500バンク最後の記念もそうだったが、このときも地元から優勝者が出せなかった。競輪の難しさと奥深さを教えてくれた千葉バンク。残り3開催で今までの負けを取り返す。

♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの33歳。06年スポニチ入社、大阪本社で2年、08年から東京本社で競輪担当。予想ではラインの結束力を第一に、近況の動き、調子を重視して本命を決めている。

500バンク最後の記念競輪が行われた千葉競輪場の正門