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【記者コラム】太田竜馬 昇竜の勢いで年末へ

四国は長い間、若手の有力な自力選手が不在で、他地区とのバトルでは苦しい時が続いた。そんな中、彗星(すいせい)のごとく現れたのが徳島の太田竜馬=写真=だ。先日の防府記念では3連勝で決勝に勝ち上がり、初の記念Vが期待されたが、まくり不発に終わり次へと持ち越しになった。ただレース内容を見れば、他の自力選手は太田をなんとしても出させないようにレースを組み立てていた。太田を逃がすとまくれないという認識が、広く自力選手の中に浸透している。強さを認めている証拠だ。

検車場で話を聞けば、少し照れながら話す好青年で、競輪選手の中では体はスリムでもあり、とてもトップクラスの選手には見えないだろう。しかし、レースに行けば驚異的なスピードを発揮する。その強さの秘密を垣間見たのは、レース後で、下半身の筋肉はまるで美しい野生動物のようだった。天性のバネに努力が加わり、力を少しも無駄にすることなくペダルにつなげているのだろう。

今年残り2カ月。太田にとって今後を占う大事な走りが続く。まずは23日からの競輪祭だ。3回目のGⅠ参戦となるが、今の勢いなら準決勝はもちろん初の決勝進出を決めてもおかしくない力を持っている。そしてこちらも勝負なのが年末12月29日のヤンググランプリだ。今年は近年まれに見るほどスター候補が集結した。北日本を代表する選手になるであろう新山響平に、関東地区からは吉田拓矢。そして四国の太田と、近いうちにGⅠVに手が届く実力を秘める3選手によるバトルが今から楽しみだ。そして本チャンのグランプリを制する日まで、太田の挑戦は始まったばかりだ。(緒方泰士)

※11月8日付・大阪版掲載