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【記者コラム】大物感漂う山口拳矢に大注目


 強く、巧い――。新人離れした走りに魅了された。男子で唯一ルーキーシリーズ6連勝を飾った山口拳矢(24=岐阜、写真)。父にGP2勝の幸二(62期=引退)を持ち、養成所ではゴールデンキャップを獲得。そのセンスが本物であると確信すると同時に、底知れぬスター性を感じた。
 
 デビューした小倉では、バンクレコードにコンマ1秒に迫る10秒6でまくって優勝。続く伊東でも「先行、まくりを使い分けてどんな展開でも勝てるように」という言葉通り、初日は最終1センターからのまくり。2日目は打鐘から主導権を握り、押し切って連勝。決勝は3車結束した地元勢VS山口という構図だったが、一枚も二枚も山口が上だった。「地元勢にとって自分が脚を使うと楽になる。内に行けば前を切ってくれると思った」と6番手にいた青板バックで内へ。思惑通り前の選手が上昇し、ライバルに脚を使わせ最後に捕らえた。まさにレースを支配した走り。とても新人とは思えなかった。
 
 そんな山口は身長1㍍66と小柄だが、検車場ではひときわ輝いていた。ウオーミングアップでの落ち着いた立ち振る舞い。同期、記者が思わず話を聞きに行ってしまう求心力。まさにスターだった。お手本にする選手は「清水裕友(25=山口)さん」という。父ではと聞くと「マーク屋になってから。まだ早い」と大物感を漂わせながら笑った。
 
 本デビューは7月9日からの名古屋(FⅡ)。3連勝、その先の特別昇班に期待が懸かる。「そんなにうまくいくとは思っていない。でも目指すのはそこ」と闘志を燃やした。新人離れした走りと抜群のスター性を持つ〝岐阜のワンダーボーイ〟。7月から大暴れする姿が今から楽しみだ。
 
渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の25歳。法大卒。18年4月入社、昨年12月までレイアウトを担当し1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。伊東ルーキーシリーズでは新人の礼儀正しい対応に、自分の背筋もいつも以上に伸びた。

 

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