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【記者コラム】車間を空けたら結果を出せ

 競輪祭は郡司浩平(30=神奈川・99期)が優勝。12月30日に平塚競輪場で行われる「グランプリ2020」の9選手が決定した。

 

 競輪祭の売り上げは目標額に届いた。S級、しかもトップクラスの9車立ては迫力があり車券意欲がそそられる。10月から9車立てに戻ったGⅢが堅調の一因はオールドファンにとっての競輪=9車なのだろう。

 

 そのオールドファンから最近のレースで不満を聞くのが〝車間を空けたレース〟での結果。例えばA選手が先行、番手のB選手は後方の巻き返しを警戒しながらA選手との車間を空ける。これは〝先行選手を残す〟という追い込み選手の仕事の1つだが、車間を空けて後続を何度かけん制するということはB選手に余力があるとみえる。ならばキッチリ差すのが当たり前。

 

 競輪全盛の30年前。人気の追い込み選手が後続を何度かけん制、車間を空けて〝差しっぱぐれ〟に見えたレース直後はファンの怒声が凄まじかった。出走した9選手の力量、近況からその選手は翌日から欠場、あるいは当該競輪場1年間の斡旋停止の処置があった。

 

 先行選手にも車間を空けて不評を買うレースがある。例えば本命のC選手を8番手に置いて別線のD選手が6番手。D選手がC選手を警戒して前団5車と車間を空けるのは先行選手同士の駆け引きの1つ。ただしD選手が車間を空ける走行は自分の巻き返しに自信があるとファンには見える。

 

 ならばD選手は少なくとも前団の先頭を走る先行選手を叩き切ってしまわなければいけない。D選手が叩けなければC選手があおりを受けるケースもある。このD選手の走行はC選手を買ったファンには不満だ。

 

 9車の競輪の魅力の1つは駆け引き。自分のラインで上位独占を決めるためにどう走るか。ファンは選手心理も推理して車券を買う。一方、選手は車券を買ってるファンの思いを第一に考えて走ることが大事だ。

 

 ♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の58歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に関根幸夫(神奈川=引退)ら59期生デビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋34年目。通算車券購入額上位者は①神山雄一郎②鈴木誠③小橋正義。

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