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【記者コラム】地元・伊藤旭が〝ドライ〟な動きで盛り上げる

別府競輪GⅡ「ウィナーズカップ」競輪記者注目選手リレーコラム

 肥後の暴れん坊が初のビッグレース参戦に、ねじり鉢巻きだ。伊藤旭(22=熊本)は今回がGⅡ以上の舞台に初登場。とにかく燃えている。

 昨年11月の久留米FⅠでS級初優勝を3連勝で飾った。決勝は同期で盟友の松本秀之介が発進。男気先行に乗って番手から一気に抜け出した。伊藤は「秀之介が久留米で優勝させてくれたからウィナーズカップの出場権利が取れた。その優勝でダービーも決まったし、サマーナイトも多分出場できる。これでモチベーションがグッと上がった」としみじみ語る。同県同期の絆でつかんだ晴れ舞台。闘志に火が付いた。

 ビッグレース出場が決まってからウエート練習を一段と強化。「底上げをしようと内容をしっかり考えてやっている」。デビュー当初は線が細いタイプだったが、肩周りや胸板が一回り大きくなり「やっと競輪選手らしくなった」と胸を張る。体重は8㌔アップに成功。トップレーサー相手でも当たり負けしない鋼のボディを作り上げている。

 伊藤の持ち味はさばきがこなせる変幻自在な走り。だが、その長所が欠点にもなり落車や失格がつきまとった。そこでヨコの動きをいったん封印。タテ重視の先行、捲りを貫き「競輪JPの直近成績からやっと失格が消えた」。機動力オンリーで結果を残したが、ウィナーズカップでは牙をむく決意だ。「ヨコをやりたい。目立つような走りをして見せ場はつくりたい」と決意をにじませた。

 大宮開催後は久留米か防府のバンクに入って最終仕上げの予定。「出るからには決勝を目指して頑張りたい」と鼻息が荒い。縦横無尽に〝ドライ〟な動きで好配当を演出。辛口でスーパードライな自在戦ができるアサヒ。地元地区の開催を盛り上げる。(小野 祐一)

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の39歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。20~22年の2年間、西部総局に勤務し九州地区の競輪を担当していた。

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