<レース展望>

 松戸で初となるミッドナイト競輪(7R制7車立てA級1、2班戦)が9日に開幕。11日まで3日間にわたって熱戦が繰り広げられる。中心はS級下がりで確かな機動力を備える鈴木謙二(東京・97期)。昨年は1年間、S級に在籍。決勝進出はなかったが10月下旬以降に自力勝負で5勝を挙げるなど力をアピールした。今期A級での初戦はホームバンクの京王閣で❹②❺着。勝ち星こそなかったが3日間とも最終バックを先頭で通過。積極的に仕掛けた内容は悪くなかった。小回りの松戸だけに、ここも早めの仕掛けを意識。押し切っての今期初Vを狙う。

 

 鈴木の番手は埼京同士の台和紀(埼玉・83期)。鈴木と同様、1月に1年間在籍したS級からA級へ。初戦の宇都宮では決勝を外したが、その分も、2戦目のここに気合。前で仕掛ける鈴木に続いて直線勝負。G前での差し切りに懸ける。

 

 近畿は主力に中野雄喜(京都・111期)、丹波孝佑(大阪・98期)と先行タイプが2人。ともに仕掛けが早く実力も接近。持ち味を生かした積極的な走りで力を発揮する。後ろで援護する追い込み型は四宮哲郎(京都・71期)片山弘城(大阪・75期)と、中部・近畿での連係が考えられる白井一機(愛知・65期)あたり。好目標を得て展開が向けばV争いに浮上する。

 

 南関では千葉コンビが地元戦に意気込む。自力基本のスタイルで地道に上位への道を歩む河上陽一(99期)と、追い込みで堅実な走りを見せる赤井学(77期)が同県連係。決勝でのワンツーフィニッシュを目指す。自在に動く石橋慎太郎(静岡・88期)は地元勢と別線勝負か。好位をキープして鋭く踏み込む。ガッツある走りを見せる河野淳吾(神奈川・99期)も追い込みを基本にしながら状況に応じた戦法で上位争いに食い込む。

 

 中四国勢は徹底先行の多田晃紀(岡山・103期)に、追い込み型ではS級でのキャリアが豊富な増田鉄男(徳島・74期)、さらに宇根秀俊(愛媛・80期)が続く。多田は昨年、松戸に5月、11月と2回出場。6走して4回連に絡んだが、決勝には進めなかった。先手が取れれば有利な短走路だけに、しっかり前に出てレースの主導権を握りたい。

 

 九州勢で力のある自力型は、まくりを基本に組み立てる徳永哲人(熊本・100期)と井上将志(福岡・98期)。追い込み主体の別所英幸(福岡・83期)もV候補の一角として見逃せない。

 

 北勢では底力ある緑川修平(福島・95期)が侮れない1車。流れに乗り切れず失敗するケースも目立つが、タイミングを逃さずに仕掛ければ一気に浮上する。

 

<松戸バンク、ミッドナイト競輪での注目選手>

山崎 司(福島・95期)ミッドナイトは昨年2回出場し、そのうち5月武雄で決勝に進んだ。前走取手では同県の後輩・酒井雄多の逃げに乗って9年ぶりのV。今年初戦となるここでも存在感を発揮するか。

斉藤健人(静岡・92期)3場所前の武雄ミッドナイトで決勝に進んでから、前橋FⅠ、いわき平FⅠと9車立てでも連続でファイナルへ。松戸は昨年2場所の出場で1着が4回。以前より積極的な仕掛けが増えていることも好印象だ。

山田裕哉(岐阜・98期)ミッドナイトでは昨年10月以降の3場所で2回決勝へ。自在性を備えるが決勝に進めば同期の丹波、または中野と中部・近畿でラインが組める可能性も。状況に応じた運びでチャンスをうかがう。