第63回オールスター競輪(GⅠ)は愛知県名古屋市にある名古屋競輪場で8月12日に開幕。
競輪ファンによる競輪ファンのためのGⅠ戦だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて残念ながら無観客開催となった。
ファン投票1位は脇本雄太と児玉碧衣。この2人が男女各ドリームレースで主役を張り、ファンの指示に応えてみせる。
オールスター展望
日本一は俺だ

脇本 雄太
2年連続でファン投票1位に輝いたのは脇本雄太。大会連覇が懸かった昨年大会は悔しい準決勝敗退。そのリベンジに燃えるシーズンである。
本来なら東京五輪が開催されていた夏。1年延期となりペース配分も大幅に変わったが、心身ともにピーク時に近い状態であることは間違いないだろう。直前には4連勝で5回目の地元記念Vを飾っている。
まずは初日11Rで行われるドリームレースで主役の走りを披露。シリーズを通して主導権を握り、2年ぶり2回目となるオールスターVで支持してくれたファンに恩返しをしたいところだ。

新田 祐大
大会連覇が懸かるのは新田だ。脇本とともに東京五輪日本代表としてメダル獲得を目指すスピードスターだ。今年出場した6月の高松宮記念杯、7月のサマーナイトフェスティバルとも決勝戦に進出。とくに地元開催のサマーナイト決勝は8番手まくりで中国連係を叩き切ったが、ゴール前できっりかえ追い込んできた清水に差されての悔しい2着。
新田にとってオールスターは、昨年と15年で2度目のV実績のある相性のいい大会。位置取りから佐藤の援護を受けられるのも大きな強みだ。脇本との日本代表対決を制して、3回目の大会制覇を目指す。
現時点の輪界最強タッグは松浦&清水。それぞれが自力戦でも超一流の実力。アベック優参となれば相乗効果によりその力は倍増。どちらが前を回っても、この2人によるタイトル量産は高確率で達成されている。前回のサマーナイトは松浦の前回りで清水のV。今回はどちらが前を回る?

深谷 知広
深谷&浅井の中部コンビも黙ってはいられないだろう。とくに深谷にとっては地元での大一番。誰よりも気合が入っているはず。今年の2月から調子を上げている浅井がしっかり続いて深谷を擁護。中部最速連係で遠征陣に仕事をさせない?
地区的には単騎となる平原と郡司も、それぞれの地区のエース選手。うまく流れに乗ることができれば、1着発進も十分にある。なおドリームレース1~5着は3日目の優秀・シャイニングスター賞に勝ち上がり、準決勝進出が確定する。

中川 誠一郎
2日目のオリオン賞からは上位3人がシャイニングスター賞へ進出(残り1人は特別選抜予選の1着)。
意地を見せたいのはS級S班である中川、村上博の2人。山崎マークで好展開が見える中川がやや優勢か。村上博は兄の義弘と共に三谷を盛り立てる流れが自然だが、富山決勝記念では意表の先行勝負で稲垣裕之のVに貢献したばかりだ。果たしてどう結束する?
点数上位の諸橋は新山の番手を主張?レジェンド神山との兼ね合いに注目したい。太田は地区単騎。脚をためての一発で高配当の使者となるか。
ガールズ展望
華麗にV奪還

児玉 碧衣
4年連続ファン投票1位に輝いた児玉が中心となる。
平のサマーナイトフェスティバルでは決勝3着に敗れたが、和歌山→向日町で連続完全Vとすぐさま軌道修正。今大会は18年(平)で優勝。昨年は石井寛に差されて2着に甘んじたが、舞台は同じ名古屋バンク。華麗なるV奪還に期待だ。
姉弟子の小林優はもちろん、サマーナイトVを含め現在9連勝中の高木(昨年落車)や太田(昨年失格)もリベンジに燃えているはず。石井貴の勝負根性もいいスパイスになるだろうし、アルテミス賞連覇から晴れてドリームレース入りを果たした長沢は誰よりも気合が入っている。熟知した地元バンクで全力を出し切る。

梅川 風子
2連覇中の長沢が抜けたアルテミス賞をリードするのは初出場の梅川だ。
今年7月からナショナルチームに参加。世界規格でのトレーニングに打ち込む日々。そろそろウエートの成果も出だすころだろう。競争得点、近況のV実績とも一歩抜けた存在。相手探しの一戦になるとみた。