2019年最初のGⅢ、立川開設67周年記念競輪「鳳凰賞典レース」は、あす4日から7日まで4日間にわたって開催される。新S級S班2選手を含む好メンバーが出場。近況好調をキープする浅井康太を中心に木暮安由、清水裕友、竹内雄作、吉沢純平、山崎芳仁、小松崎大地、稲垣裕之、松谷秀幸ら豪華な顔ぶれにより熱戦が繰り広げられる。なお、GⅢの勝ち上がりシステムが今開催から変わる。初日特選が従来の3個レースから1個レースになるなど、より分かりやすく、予想しやすい番組編成を目指してリニューアルされる。最終日9Rの「S級ブロックセブン」には古性優作、芦沢辰弘、渡部幸訓、大坪功一、佐藤亙、三上佳孝、篠原龍馬の7選手が出走する。
浅井 頼もしき中部の大将 |
昨年11月小倉競輪祭で3回目となるGⅠ制覇を7年ぶりに果たした浅井康太。近況は抜群の安定感を誇り、競輪祭のほかにも8月いわき平オールスター決勝とグランプリで2着、9月高知共同通信社杯で決勝3着など高いレベルで強さを発揮し続けている。記念の舞台でも、その充実ぶりは変わらない。6月下旬以降、5場所を走って4V。新年初戦となる今シリーズもワンランク上の走りでチャンスをつかみ取る可能性が高い。組み立てはメンバー構成次第だが、どのような状況にも柔軟に対応して実力を発揮。ここは中部同士で先行力ある竹内雄作との連係が望める。仮に自力で戦うことになっても、慌てることはない。冷静に流れを見ながら、勝てる仕掛けで最後は鋭く Vゴール を駆け抜ける。
竹内は昨年2月初めの落車でリズムを崩すも、6月あたりから徐々に復調。7月松戸サマーナイトF、8月いわき平オールスターとビッグで連続決勝進出を果たした。オールスターでは浅井の前で果敢に出て先制。優勝した脇本雄太の巻き返しに屈しはしたが、気迫のこもった走りで存在感をアピールした。直近は暮れの静岡GPシリーズ(FⅠ)で決勝へ。ファイナルで先手が取れず持ち味を生かせなかった分も、ここでしっかりと力を出し切るつもりだろう。浅井の援護を受けながら粘りを発揮。自分のペースに持ち込んでのV獲りを狙う。
関東コンビ木暮=吉沢も強力 |
関東の軸として気合を込めて走るのが木暮安由。立川では17年3月、昨年10月とFⅠで連続優勝中。今度はGⅢの舞台で結果を求める。ラインでパワーのある吉沢純平と連係。頼れる地区の自力型の仕掛けに乗って直線で鋭く突っ込む。前走平塚FⅠでは準決で7着と不覚を取ったが、ここでは得意走路で確かな実力を発揮する。吉沢は昨年の最終出走だった12月四日市FⅠで完全V。勢いを持続させ、ここでも好走を見せるか。
新鋭清水の勢い一番 |
昨年後半からブレークし、グランプリ出場まで一気に駆け上がったのが清水裕友。地元でGⅢ初優勝を決めた11月防府記念に続き、ここでもV候補の1人として注目を集める。若くても器用な攻めが可能な万能型レーサー。確かな機動力に加え、ヨコの重さも兼ね備える点が大きな強み。単騎で戦った初のグランプリでは自力で仕掛けて4着。その経験も力に、S班戦士の1人として自信の仕掛けに出る。
復活期す稲垣に注意 |
近畿勢の主力は稲垣裕之。ここしばらく続く低空飛行から脱するべく新年での巻き返しを目指す。昨年は3月小田原FⅠで優勝した翌場所に落車してから調子が乱れ、以後はFⅠも含めてVなし。思うような成果がないまま1年を終えた。立川記念は3年連続での出場になるが、過去2年は17年❶❷①❻着、18年❷❶⑤⑤着。8走して5連対と悪くない数字。また当地FⅠでは13年から15年の3戦で3連続Vという特筆できる結果も残している。復調へのきっかけをつかむには打ってつけの舞台と言っていいだろう。自力を基本にしっかりと戦い、再び上位戦線への浮上を果たしたい。
北は山崎上位 |
北日本からは山崎芳仁、小松崎大地らがV獲りに名乗り。山崎はFⅠ前2場所で決勝を外したが、GⅢでは直近6回の出場で5回決勝に進み3回確定板入り。底力を見せている。まくり主体の自力勝負が基本でも、小松崎が一緒なら前を任せてのレース。追い込み勝負で浮上を図ることになる。小松崎は月前橋寛仁親王牌でGⅠ初決勝を経験。その後は11月川崎FⅠで優勝し、12月広島記念では決勝2着に入った。前走和歌山FⅠでは1着がなかったが、3走ともラインの先頭で積極的に主導権。動きには軽快さが感じられた。さらに成田和也まで加わりラインの厚みが増すようだと、同県での強力連係が別線を苦しめる。
南関は松谷 |
松谷秀幸も11月取手記念で決勝2着、12月防府FⅠで完全Vなど悪くない成績を残し好勝負が期待できる。自在な組み立てが持ち味で、好位を確保して踏み込むと突き抜けが考えられる。根田空史、岩本俊介といったパワーある自力型と南関での連係が可能になるようだと、さらに戦いやすい。
九州勢なら北津留有力 |
九州では17年当地記念で平原康多、新田祐大、深谷知広ら強敵を破って優勝した北津留翼が気になる1車。高い潜在能力は上位選手にも負けないレベルだけに、常に目が離せない存在となる。自慢のダッシュとスピードを生かすと一気に台頭する。浜田浩司、松本貴治の愛媛師弟コンビは今回が5回目の同開催出場。その中で同じレースは2回あったが浜田、松本とも2着までに絡めなかった。目指すのは決勝での連係。実現させて、ここで流れを好転させたい。
今開催からGⅢ勝ち上がりシステムが変更 |
▽初日…特選(12R)1~9着9人、一次予選(1~11R)1~2着22人と3着のうち5人が二次予選Aへ。一次予選3着のうち6人と4着11人、5着のうち10人が二次予選Bへ。
▽2日目…二次予選A(9~12R)1~5着20人と6着のうち1人、二次予選B1~2着6人が準決勝へ。
▽3日目…準決勝(10~12R)1~3着9人が決勝へ。