<A級チャレンジ戦展望>
前場所(5~7日)に続いての9レース制開催。今節はA級3班チャレンジ戦7レースとガールズが2レース。チャレンジ戦は主役と目されていた井田晶之(愛知・113期)が前検日になり欠場。主役は井田と同じ113期で成績上位の薦田将伍(愛媛)が務める。昨年7月デビューから半年間で3V。先行とまくりを使い分け、流れに応じた仕掛けで強さを発揮。初出場となる玉野バンクで今年の初戦を迎えスタートダッシュへ。しっかりと実力を出し切る。
渡辺直弥(静岡・113期)が力勝負で同期の薦田に対抗。S級上位で活躍する雄太(105期)の弟で、スタイルは先行一本。優勝こそまだないが決勝2着が2回など、兄の背中を追い悪くない成績を残す。ここも迷わず果敢に出て先制。逃げ切りでの初Vへゴール線まで粘り強く踏み込む。
今期3班に下がった等々力久就(長野・98期)は、ここが6年ぶりに走るチャレンジレースの初戦。勢いのある若手の自力型を相手に底力を示したい。降級前と同様、まくりを主体にした仕掛けでV争いに加わる。
高橋成英(愛知・89期)は同県での連係が想定された井田の欠場により、本来のスタイルである自力勝負で浮上を目指すか。1月に2班から3班に下がって今シリーズが2場所目。初戦の小倉ミッドナイトでは予選でまくって1着も準決5着で決勝には進めず。まずはしっかりと勝ち上がり、ファイナルで好勝負を演じたい。
石川勢は先行力ある吉川勇気(109期)と、タテに踏める脚を備える宮西翼(100期)が決勝での連係を目指す。吉川は前期、正規で走った13場所のうち8場所で決勝へ。12月久留米では逃げて決勝2着に粘り込んだ。ここも積極的な走りで持ち味を生かす。宮西は自力を封印し、後輩の吉川目標に直線勝負とみる。吉川がペースを握った時は番手回りから好展開をものにするシーンも。
栗本尚宗(千葉・113期)は直近5場所連続で決勝を外しているが、パワーは優勝まで狙えるレベルと言っていい。南関同士で同期の渡辺と同様、仕掛けは積極的。同乗となった時にどのような作戦をとるのかも気になるところ。
大久保聡(鹿児島・86期)は前期まで1班に在籍。3班に下がっての今期初戦は準決で4着も予選、最終日と2勝。組み立ては追い込みが主体。九州に強力な自力型がいない点が気になるが、薦田との連係が可能になればVチャンスが膨らむ。
けがの影響もあってリズムに乗れずにいる大畑裕貴(埼玉・92期)も今期は3班に下がって発憤するか。S級でも逃げ切りで優勝した実績のある実力者だけに軽視はできない。初戦の松戸では逃げて2連対。ここでは決勝に進んで存在感をアピールしたい。
<玉野バンク、ミッドナイトでの注目選手>
関根崇人(福島・94期)
玉野を走るのは今節が2回目。初出場の17年9月ミッドナイト(チャレンジ戦)は①②❼着。予選、準決と自力で戦い決勝に進出した。ここが今年の初戦で練習、調整期間は十分。自在な立ち回りには警戒が必要だ。
竹下翔(熊本・101期)
玉野の前走は昨年4月ミッドナイト(チャレンジ戦)。その時は最終日に逃げ切り1勝。その前は17年11月ミッドナイト(チャレンジ戦)で、準決は別線の強力な自力型2人が壮絶なモガき合い。最終ホームから踏み上げた竹下は2着で決勝へ。ここも自力で仕掛けて勝負強さを見せるか。
田村光昭(広島・67期)
組み立ては追い込み基本。2場所前の小倉ミッドナイトでは予選、準決を1、2着で勝ち上がり、決勝も3着で確定板入り。準決では中四国で薦田と連係。しっかり食らい付きワンツー。ここも薦田の番手を回ると、決勝でも浮上のチャンスがある。
<ガールズ展望>
飛び抜けた存在が見当たらない中でも、近況の勢いは石井貴子(東京・104期)が一歩リードする。前期は優勝4回。その全てを先行、もしくは早めのまくりで決めている。仕掛けは積極果敢。ここも迷いのないスパートで押し切りへ。スピードを保ったまま、ゴール線まで力強く駆け抜ける。
吉村早耶香(静岡・112期)も石井に劣らず長い距離を踏める確かな機動力が持ち味。11月以降の7場所は全て決勝に進んで優勝1回、決勝2着1回。踏みだすタイミングを計りつつ、自力でしっかりと仕掛けてV争いを演じる。
競走得点最上位は鋭いまくりが魅力の林真奈美(福岡・110期)だ。前期から優勝こそないが成績自体は安定しており、直近2場所は連続決勝2着。ここでは昨年5月以来となるV獲りを決めたいところ。
坂口楓華(京都・112期)も自在な走りで上位に進出。近況は追い込みを主体にした組み立てが増え、巧みな位置取りから直線勝負。ゴール前での突き抜けに懸ける。