勢いに乗る南潤が主導権を奪う――。防府競輪FⅠが8日から3日間の日程で開催される。3月小倉の濱田翁賞を制した南が果敢な先行でシリーズを引っ張っていく。同県の東口善朋が好マークしてワンツー。近況好調の渡部哲男は原田研太朗を目標に抜け出しを狙う。まくり強烈な簗田一輝の一撃は侮れない。当地好相性の松谷秀幸は簗田に乗って浮上十分。桜が舞い散る33バンクで強豪が集い熱戦を繰り広げる。
 

勢い十分 南が引っ張る


 勢いがあるのは南。直前の小倉GⅢ発祥地70周年記念「第1回濱田翁カップ」では打鐘4角からまくりで村上博幸を振り切り快勝した。2回目のGⅢ優勝を決めた。
 
 「村上さんに差されなかったのは自信になる。底上げしてGⅠの決勝を目指したい」とまたひとつステップアップした。東口が好マークして和歌山ワンツーを狙う。東口は1月和歌山記念決勝では三谷竜生―椎木尾の3番手から伸びて凖V。3月静岡記念では近畿4番手を固めて3着。3月大垣ウィナーズカップ初日には南に食い下がってワンツーを決めており抜け出す。
 

四国・原田―渡部の連係強力


 四国の原田―渡部の連係も強力。原田は2月別府の全日本選抜では準決7着に終わったが、続く奈良記念では3連勝で優出3着。FⅠではしっかり結果を出しており心配はない。当地では17年1月毛利賞で凖Vの実績がある。原田が先手取りなら、差し脚の鋭い渡部が好ガードして差し切り。
 
 遠征勢では松谷に注目したい。昨年12月当地FⅠでは落車明けながら、決勝では2角まくりで完全Vを果たした。今回も体調さえ問題なければV候補の一角。自力はもちろん、力をつけてきている簗田のまくりに乗って鋭く抜け出すシーンも十分に考えられる。
 中国勢は工藤文彦―友定祐己の岡山両者がけん引する。工藤はツボにはまった時のまくりは強力そのもの。地元では国村洋の活躍に期待がかかる。
  
 ○…渡部の差し脚は衰え知らず。1月松阪FⅠでは松浦悠士と3日間連係して完全V。3月の松山周年記念では太田竜馬の早めの先行に乗って抜け出しVを果たした。GⅢは09年12月小田原以来、地元では2回目の優勝となった。7年ぶりの地元記念優出だったこともあり「年齢も年齢だし今年が最後のチャンスと思って走った」。郡司浩平のまくりをきっちりブロックして2着が橋本強、3着が太田と四国勢で上位を独占。切れ味はまだまだ健在だ。今回は原田との好連係で存在感を見せる。