取手競輪開設69周年記念「水戸黄門賞(GⅢ)」は、6月1日から4日間にわたって開催される。本命期待は近況の好調さが際立つ松浦悠士。そのほか岩津裕介、吉沢純平、村上博幸、吉田拓矢、原田研太朗、小倉竜二、渡部哲男、山田久徳ら好メンバーが出場して熱戦を繰り広げる。また最終日(4日)第9RではA級1、2班の上位選手がS級特進(1~3着)を懸けて争う「レインボーカップA級ファイナル」が矢口大樹、高木隆弘、藤原憲征、小林泰正、大石崇晴、山本巨樹、宮越孝治、松村友和、那須久幸の9人の出走で実施される。
 

強気レース運びで松浦V奪取


 このところ急速に層の厚さを増す中四国勢。その中でも、特に充実している1人が松浦悠士だ。ビッグ初決勝は昨年7月のGⅡ、松戸サマーナイトフェスティバル(②①❸)。12月に地元広島で記念初制覇を果たすと、さらに勢いが加速した。今年に入ってからはGⅠ2回、GⅡ1回を含む全てのグレード戦で決勝へ。高いステージでも堂々とした走りで上位争いを演じ、スター選手の1人として地位を築きつつある。先にS班戦士となった清水裕友とともに、地区の主力を担う立場にまでレベルアップ。ここでも自信の走りを見せる。
 
 取手出場は昨年の正月開催FⅠ以来になるが、その時は意外にも、決勝で関東1人となった吉沢純平と連係。逃げた吉沢の番手回りから追い込んで優勝をゲットしている。その再現は考えにくいにしても、しっかり組み立てて再びいい流れを引き寄せたい。まくりを基本に追い込み、時には先行も含め多彩な戦法を駆使。強気に運んで勝利を目指す。
 

中国同士・岩津が続く


 岩津裕介が中国同士で松浦に前を託す。直近2回の連係は松戸ダービー二予と前走松山全プロ記念2走目。いずれも松浦が1着もワンツーは成らず。ただ、どちらも先頭に山崎賢人がいて松浦は番手回りだった。自力で戦った松浦との直近連係は4月高知記念二予A。そこでは最終2角7番手からまくった松浦に続き連独占が決まっている。GⅠタイトルを手にした16年8月松戸オールスターの後は優勝から遠ざかっている岩津。久々のVをここで決められるか。頼れる地区の後輩を目標に直線勝負に懸ける。
 

地元ライン軸は吉沢


 地元ラインの軸は吉沢とみる。2月GⅠ別府全日本選抜で決勝3着の後はリズムを崩しているが、大事な地元記念と次のGⅠ岸和田高松宮記念杯(6月13~16日)を照準にスランプから抜け出したい。同県後輩の吉田拓矢、兄弟子の牛山貴広らと連係。果敢に仕掛けそうな吉田の番手回りから17年以来2度目の当地記念制覇へ。ここで上昇気流に乗りたい。吉田も、まだないGⅢ優勝を地元で決めたい気持ちは強いはず。しっかり仕掛けてラインの責任を果たしつつ押し切りに挑む。
 

好調・村上も有力


 好調を持続する村上博幸も有力なV候補。京都同士で連係実績も豊富な山田久徳とのタッグでチャンスを狙う。GⅢでは直近3場所連続で決勝2着。惜しいところで優勝を逃している。自在性も備える山田が前で力強く攻めていけば、この動きに乗って直線で切れ味発揮。1着ゴールへ鋭く踏み込む。
 
 四国勢は3人が好調をキープ。決勝で原田研太朗を先頭に小倉竜二と渡部哲男でまとまり、ここでは中国勢とは別線勝負となるか。徳島の2人は松戸ダービーの準決でも連係。原田は2着で難関を突破したが、別線のけん制に阻まれた小倉は原田に続けず6着。そろっての決勝進出は成らなかった。その分も、ここでしっかりと結果を出したい。3番手回りが想定される渡部も切れ味がさえており、原田が早めに出ていけばG前での突き抜けが考えられる。