咲き誇れ

平原 康多

 
 今年に入ってすでに5節を消化。そのすべてで決勝進出を果たし、結果は❷❶❷❷❶着。記念2勝、GⅠ準優勝で現段階の賞金ランキングは第2位。全日本選抜を制した1位・清水裕友を約730万円差で追っている。抜群の安定感だ。
 
 ミスター競輪。その呼び名はいまの平原康多にぴったりだろう。世代交代の波は確実に押し寄せているが、その波を見事に乗りこなし、37歳にしてなお、最前線で競輪界をリードしている。
 
 恐れ入ったのは直前の松山記念決勝だ。清水とともにニュージェネレーションの最先端にいる松浦悠士を、打鐘4角カマシで完封してのV逃げ。最強のオールラウンダーが見せるレースメークはそのどれもが芸術品であるが、脚力でも負けていないことを証明した1戦でもあった。
 
 福井は08年8月のふるさとダービー(準優勝)以来、11年8カ月ぶり3回目。さすがにバンクイメージは残ってないだろうが、いまの平原にとってはどうでもいいことかもしれない。今回も自力戦、番手戦を問わずに関東チームをけん引。シリーズの流れを掌握して画面越しに観戦する競輪ファンに最高品質のレースを見せてくれそうだ。