取手競輪開設70周年記念GⅢ「水戸黄門賞」は、27日から30日まで4日間にわたって開催される。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から出場選手は関東、北日本、南関の3地区限定だが好メンバー出場。S級S班から平原康多、郡司浩平、佐藤慎太郎の3選手のほか吉沢純平、鈴木竜士、吉田拓矢、新山響平、芦沢辰弘、松坂洋平ら豪華な顔ぶれがそろって熱戦を繰り広げる。本場は無観客で車券発売なし、場外発売については実施される。(電投番号「23#」)。
 

関東のエースに隙なし

平原 康多

 
 主役は関東のエースで17年に当地でGⅠ(全日本選抜)を制した平原康多だ。今年は1月から成績安定。記念では3月中旬までに2Vと決勝2着が2回。GⅠの2月豊橋全日本選抜でも決勝2着に入り実力を示した。その後は落車が2回続いたが、リズムを崩すことなく好調を維持。前々走の5月豊橋全プロ記念❷❷着に続き、直前のGⅠ・和歌山高松宮記念杯では準決を自力勝負で1着突破して決勝入り。中4日で迎えるここでも勢いをキープして強さを見せる。自力で戦うか関東の後輩に前を任せるかは状況次第。どちらにしても、S班戦士として隙のない運びでV奪取へ。自信の走りで結果を出す。
 
 5月に茨城から東京に移籍した鈴木竜士が埼京で平原との連係となるか。注目は前後の並び。高松宮記念杯の初日東特選では鈴木が平原の後ろを回った。ここも同じ形を考えているか。そうなれば、しっかり援護して直線勝負。ゴール前での差し切り逆転に集中する。
 
 地元茨城の面々もV奪取へ虎視たんたん。吉沢純平は17年に当地記念を初制覇。18年も4着で優勝は逃したがファイナルへ。しかし、昨年は2日目二予で落車して無念の途中欠場。その分も今年は気持ちが入る。基本は自力勝負だが吉田、山岸といった力のある同県後輩との連係も。有利な組み合わせになればチャンスが膨らみそうだ。吉田も昨年の記念では準決6着で決勝入りは成らなかった。まだないGⅢでの優勝を地元で決めたい気持ちは強いはず。しっかり決勝に進んで結果を求める。
 
 芦沢辰弘は高松宮記念杯でGⅠ初決勝を経験。ステップアップを果たして臨む地元記念だけに注目度が上がりそう。実績断然のリーダー・武田豊樹も、もちろん忘れてはならない存在。当地記念は3度のV実績。調子さえ上向けば一気に存在感を増す。自在の杉森輝大は前走高松宮記念杯が約3カ月ぶりの実戦だった。宮杯では3日目に1着で武田とワンツー。主力の一人として見せ場をつくりたい。
 
 南関は郡司浩平が軸。3月玉野記念Vのほか高いレベルで好調をキープ。高松宮記念杯では準決5着で決勝入りを逃したが、シリーズを通しての動きは悪くなかった。1着は初日東予選と最終日の2走。初日は同県後輩の松井宏佑との連係から新田祐大、平原ら強敵を破り、最終日も信頼を寄せる南関の後輩・渡辺雄太の逃げに乗り勝利を手にした。基本は自力だが流れに応じた走りでV争いへ。今年2度目の記念制覇へ強さを見せる。
 
 神奈川勢では鋭いまくりで好調な松坂洋平、差し脚切れる内藤秀久も争覇圏。根田空史&中村浩士の千葉師弟の連係にも注目したい。
 
 北日本のS班はグランプリ覇者で19年MVPの佐藤。今年も2度のGⅠで決勝に進むなど成績は変わらず安定している。先行力ある新山や自在を生かして攻める菅田壱道、兄弟弟子の山崎芳仁、ハイパワーの渡辺一成らとラインを組んでの勝負。15年5月宇都宮以来、5年ぶりとなるGⅢ制覇を目指す。