川崎競輪FⅠナイター「スポーツニッポン杯争奪戦」は、4日から6日まで3日間にわたって開催される。出場選手は地区内斡旋でS級は南関、関東の2地区と南関に移籍予定の近畿の選手が1人、A級は南関地区のみ。レースは7車立て9レース制(S級は5レース)で行われる。主役は地元で競走得点上位の小原太樹。そのほかV候補の野口裕史、天田裕輝、勝瀬卓也、芦沢大輔、高橋築、武藤龍生、朝倉智仁らにより熱戦が繰り広げられる。(電投番号34#)
 

<S級見どころ>

 18年当地記念覇者の小原太樹が、地元戦でしっかり成果を挙げる。昨年決勝3着に続いての活躍を目指した前走GⅠ高松宮記念杯(和歌山)では2日目東二予で落車に巻き込まれる不運(再乗5着)。3日目から途中欠場という悔しい結果に終わった。そこから中13日で迎えるホームバンクでの戦い。できる限りコンディションを整え、主役の走りを披露する。南関同士で先行パワーのある野口裕史という絶好の目標に恵まれ、位置さえ守れば展開の面でも断然有利。野口とは昨年8月名古屋オールスター一予以来の連係になるが、その時は打鐘先行の野口を番手でかばいつつ踏んで2着。1着こそ別線選手に譲ったが野口を3着に残して両者とも確定板入り。ここで狙うのは決勝での好連係。差し切っての地元Vへ、気持ちを込めて走る。
 
 野口は前走青森FⅠから中5日。青森でも果敢な走りで持ち味を発揮して決勝へ。まだS級優勝がないことは意外だが、実力は十分。ここも先行一本で勝負。ぶれずに自身の走りに徹していれば自然と結果は付いてくるはずだ。
 
 勝瀬卓也は小原と同じく川崎がホーム。近況は落車の影響でリズムに乗れずにいるが、気持ちを切らさずに大事な地元戦へ。南関での結束から浮上を目指す。
 
 勢いに乗るのは青森で野口を破ってVの天田裕輝。最終3角5番手から外を踏み、逃げ粘る野口をゴール前で捉えた。ここも得意のまくりを主体にした自力勝負を考えているか。ただ、組み合わせ次第で実力上昇中の高橋築、朝倉智仁といった関東の若手先行型との連係も。状況に応じた走りで連続Vに挑む。
 
 厳しく攻める芦沢大輔は前々勝負。前走青森では決勝のメンバー構成上、野口マークを主張して地元の永沢剛と番手を取り合ったが、基本は関東での連係。理想は2月当地FⅠでS級初の決勝入りを決めた同県後輩の朝倉とのタッグ。青森ではラインを組めなかった天田と力を合わせることも。どうあれ鋭さを生かしてV争い。チャンスは十分にある。
 
 高橋は一戦ごとに実力アップ。前走立川FⅠでは地元戦で成長をアピール。予選、準決と連勝を決め、決勝は打鐘先行で小差の2着。力強い走りを披露した。注目は野口や直前に追加での出場が決まった朝倉との主導権争い。勢いに乗り見せ場をつくる。埼京で武藤龍生が高橋の番手か。落車後で状態面は気になるが、高橋が先手を取るようなら流れが味方する。
 

<A級見どころ>

 ホームバンクでのVへ、巴直也が気合を込める。3年ぶりにA級に下がった前期はモーニングとミッドナイトの7車立て2回を含め合計4V。自力で持ち味を生かし、まずまずと言える成績を残した。ただ、6月当地FⅠでは決勝9着。オール南関で地元から6人が勝ち上がった中、別線で戦った同県後輩の松坂侑亮との力勝負に敗れた。悔しい思いをした分も、ここでは結果がほしい。同型は前期S級の格清洋介、本多哲也と手強いが臆せず攻めの走りに徹する。同じく川崎がホームの法月成祐や弟弟子の出沢拓也が援護役。地元での上位独占を目指す。
 
 格清と本多も力は主役レベル。格清は前期S級で7勝、2着5回。本多も5勝、2着6回と車券にたびたび貢献。A級戦で久々の7車立てだが走るごとに勘をつかんでいくか。同県連係なら格清には差し脚いい中井達郎、本多にはガッツある赤井学が続き連独占を狙う。