第８回国際自転車トラック競技支援競輪（ＧⅢ）は、１５日から１７日まで３日間にわたって山口県・防府競輪場で開催される。３日制で１日１２レース。Ｓ級トーナメント１０レースと、ガールズケイリン２レースで実施される。

　

　Ｓ級トーナメントは激戦模様。和田健太郎、桐山敬太郎、小川真太郎、桑原大志、山本伸一、稲川翔、宮本隼輔、南修二、山岸佳太のほか好メンバーが多く出場するが飛び抜けた存在は見当たらない。Ｖ争いは、し烈を極めるか。

 

　ガールズも実力のある顔ぶれがそろう。主役クラスの佐藤水菜、高木真備、長沢彩、大久保花梨や上昇気配の内村舞織らが白熱のバトルを繰り広げる。

 

　高いレベルで安定した成績をキープする和田健太郎（＝写真）が激戦を制すか。追い込みから自力基本のスタイルに戦法を変えた今年は、ここまでに６場所を走ったがＦⅠも含めてまだ優勝がない状態。昨年６月函館記念以来、ＧⅢで２回目となるＶを狙い、攻めの姿勢をしっかりと結果につなげたい。

　注目は組み立ての面。南関同士の桐山敬太郎が一緒で、どのような作戦をとるか。互いが譲らず動く組み立てにこだわった時には、苦渋の選択で別線勝負となることも可能性としてはあり得る。ただ、桐山とは初めてＧⅢを勝った函館記念の準決で連係。前で気迫あふれる走りを見せた桐山の後ろ回りから３着に入り決勝切符を手にしている。それを踏まえれば、ここも南関でタッグとみるのが自然。桐山と力を合わせて連独占を目指すか。どうあれ納得できる走りでＶ争いへ。競走得点（直近４カ月）最上位の脚力でチャンスをつかみ取る。

 

 

　和田と同様に自在性を生かした組み立てが持ち味の桐山も近況成績は安定している。ＧⅢでは今年に入り１月立川、２月静岡と記念で連続決勝進出。前走岸和田ＦⅠでも連日、自力で仕掛けて軽快な動きを見せており、勢いを維持して臨めば活躍は間違いなさそう。

 

　小川真太郎は鋭いダッシュとスピードが武器。今年初戦の１月平塚４日制ＦⅠで完全Ｖを決めると、続く和歌山記念では準決を１着でクリアしてファイナルへ。２月は高松記念で決勝３着に食い込み、今年初のＧⅠ・別府全日本選抜では敗者戦ながら２勝を挙げた。前走岸和田ＦⅠでは決勝７着と結果を出せなかっただけに、その分もここに気合。まくりを基本にした自力勝負で強さを見せつけたい。

 

 

　地元の２人は前Ｓ班の桑原大志（写真左）と１月にＳ級特進を決めた期待の新鋭・宮本隼輔（写真右）。１月当地ＦⅠでは同乗がなかった両者。ここではそろって決勝に進み好連係を決めたい。宮本はＦⅠ３場所を走ったうち２回決勝へ。２月松戸では２着に入り存在感をアピールした。同期と争った松山ルーキーチャンピオンレースでも勝負強さを見せて１着。勢いに乗り、ホームバンクで挑む初ＧⅢでも上位へ勝ち進む。先行だけにこだわるタイプではないが、桑原に任されれば早めの仕掛けを意識。同県ワンツーへ気持ちを集中させる。桑原は後輩の動きに続き直線勝負。展開が向けばチャンスは逃さない。

 

 

　中国地区では競技の国際舞台で活躍する河端朋之の走りにも注目。昨年の世界選ケイリンで銀メダルを獲得。競輪は今年初の出場になるが、コンディションさえ整えば本業でも世界レベルのハイパワーがさく裂する。河端と同県の三宅達也も鋭い差し脚で浮上がありそう。

 

 

　数の面でやや優位と言えそうなのが近畿勢。確かな機動力を武器に上昇気配の山本伸一がラインの先頭。追い込み型で同じく調子が上向いている稲川翔と南修二が山本に続く。底力ある松岡健介も決勝に進めば山本との連係が望め、一気に勝機が膨らむ。

 

 

　関東のＶ候補は茨城コンビ。山岸佳太と牛山貴広が決勝での連係を見据える。牛山は負傷欠場明け５場所目。復調途上だが、先行力ある山岸と連係なら後ろでしっかり援護する。北勢では、まくりが得意な佐藤博紀。もつれたところを鋭く叩くと怖い。追い込み型で成績がアップしている竹内智彦も佐藤との連係から上位に食い込む。