◆レース展望◆

 武雄競輪の開設69周年記念「大楠賞争奪戦」(GⅢ)がトップレーサーを集め、あす4日から4日間開催される。参加メンバーはSS班5人を含む豪華版だ。激しい優勝争いが予想される中、本紙は地元記念連覇に燃える山田英明(36=佐賀)を中心視した。新進気鋭の山崎賢人をはじめとする九州勢が山田を後押しする。また最終日6Rでは全国7地区から選抜された精鋭によるブロックセブンが行われる。

 今年の69周年もSS班5人をはじめトップクラスが集まった。とはいえ場所は武雄。九州勢のハッスルプレーが見られる。中でもホームバンクの山田英明(=写真)が気合十分だ。昨年の当地で4日制の記念で初Vを達成した山田はその後もGⅠ優出を重ねるなど全国区のレーサーへと急成長を遂げた。
   
 
 
 
  直前の佐世保FⅠを山田は軽快なフットワークで完全Vを飾った。仕上がりは順調だ。111期の出世頭でもある山崎賢人がひと役買うはず。荒井崇博がライン参加し、山崎―山田―荒井のラインが完成すれば山田の地元記念連覇が近づくというものだ。
  
 だが、そうスンナリ行くとは思えない。SS班のパンツをはく強豪が立ちはだかる。平原康多―武田豊樹の関東ゴールデンコンビは過去の大舞台で何度も連係し実績を残してきた両雄。平原が例によってアグレッシブに攻めたてる。関東2強のどちらかが笑うケース十分だ。
  
 昨年の静岡GPを制し、初の賞金王に輝くとともに満場一致でMVPにも選出された三谷竜生の存在もキラリ光る。こちら村上義弘が番手を守る。長年、近畿の屋台骨を支え、今なおトップの座に君臨する村上は立派の一語に尽きる。三谷―村上の連係が見もの。
 当地記念を2度制している浅井康太もV争いに加わる実力者だ。メンバーを見渡す限り、自分でやるパターンとなりそうだが、単騎はお手のものだし、タテ、ヨコ柔軟な立ち回りで存在をアピールする。
 
 中四国から松浦悠士が名乗りをあげる。目下、絶好調だし松浦の〝売り〟は後手に回らないこと。その一発が侮れない。小倉竜二が割って入る。小川真太郎の攻めを足場に小倉が自慢の差し脚を発揮する。波乱の目は近藤隆司―中村浩士の千葉コンビだ。

<ブロックセブン展望>

 最終日の6Rで争われるブロックセブン。機動力でリードするのは高橋だ。大垣ウィナーズでは未勝利ながら、この顔ぶれなら最終的にハナに立てる。マークする村田は直前の小倉GⅢの準決で南―村上博から離れ決勝進出を逃したが、差し脚は好調。順当なら高橋―村田の中近コンビが両立する。逆転なら武田だろう。中島に乗るのか、それとも自分でやるのかは微妙だが、侮れない存在だ。地元古川が一発を狙う。前々と立ち回る佐々木、広川が波乱を呼び込む。

佐々木雄一(福島83期)

高橋 和也(愛知91期)

武田 憲祐(神奈93期)

村田 雅一(兵庫90期)

広川 泰昭(愛媛90期)

古川 貴之(佐賀93期)

中島 将尊(群馬105期)