さあビッグ初制覇よ‼
鈴木 美教①
怖くて乗りたくなかった
昨年は選手になって初の試練となる一年だった。2月はあっせん停止による欠場、6月小倉の決勝戦で落車。肺挫傷と前歯が欠ける大ケガだった。
「1週間入院しました。レースで初めての落車だったので、怖くてしばらくは自転車に乗りたくはなかったです」
走りたかった7月のサマーナイトフェスティバルを欠場。それでもモニターに映るライバルの走りを目にして、走りたい気持ちがわいてきた。そこから練習に取り組み、8月の弥彦で復帰を果たしすぐにV。強い気持ちで勝ち取った復活劇だった。
2年前には地元静岡で開催されたガールズグランプリに初出場。この日のためにすべてをかけて挑んできた成果だった。しかし結果は7着に終わる。
「出るだけで終わってしまいました。出場するために賞金を上げるのに必死で後半はいいレースができなかったです」
夢のグランプリ出場だったが、結果を残せなかったので燃え尽きることはなかった。「あの場所にもう1回出て結果を残したい」と改めて思いを強くした。6月の落車による長期欠場の代償はあまりにも大きかった。それでもグランプリ出場こそならなかったが昨年11月から年末にかけては9連勝で3連続V。
「あの時のケガがあって今があると思うんです。落車を乗り越えて見えてきたものがありました」
精神面でも大きく成長したことを実感した。