宇都宮競輪開設71周年記念GⅢ「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」は、5月21日から24日まで4日間にわたって開催される。
S級S班3選手を含む好メンバーが出場。本命期待は昨年11月小倉競輪祭でGⅠ初制覇を決めた後も破竹の進撃を続ける松浦悠士。関東のエース平原康多、実力トップレベルの浅井康太も互角の強さでV争い。そのほか渡部哲男、吉沢純平、中川誠一郎、稲川翔、渡辺雄太、金子貴志ら豪華な顔ぶれがそろって熱戦を繰り広げる。
最終日(24日)第6Rでは「S級ブロックセブン」が田中晴基、坂本周輝、栗山俊介、片岡迪之、柳詰正宏、清水広幸、大薗宏の7選手の出走で実施される。(電投番号「24#」)
松浦 悠士
グレードレース開催は4月26日決勝の武雄記念以来になるが、松浦悠士はその武雄で今年GⅢ3度目のV。3月にはGⅡ福井ウィナーズカップも制し、まさに充実一途。ここも自信の走りで実力を発揮する。
自在に何でもこなせるが基本は自力勝負。武雄でも二次予選から決勝まで動く組み立てで3勝。500走路の直線の長さもまくり主体に攻める松浦にとってはプラス材料で、1着に届く位置からタイミングを計って鋭く踏む。もちろん目標ある組み合わせなら前を任せることも。どうあれ死角のない運びで今年5回目のグレードレースVへ。〝旬〟の強さを見せつける。
渡部 哲男
渡部哲男が中四国で松浦の後ろ回りとなるか。メンバー構成次第で別線で戦うケースもあるが松浦との連係は多い。1月和歌山記念では4走とも自力勝負の松浦とラインを組んだが番手を回った2日目以降の3走でワンツー。二次予選と準決は差して1着も、決勝では惜しくも2着。しっかり呼吸を合わせて付いていきG前勝負。長い直線を味方に差し切りを狙う。
小川真太郎も四国では忘れてはいけない存在。今年2回出場した記念はいずれも決勝へ。ここもファイナルに進めば持ち味のダッシュとスピードを生かしてV戦線に浮上する。
平原 康多
関東地区の記念で気合が入るのが平原康多。3月ウィナーズカップ初日に落車してから初の実戦だが期間はここまで2カ月弱。コンディションは整っているか。1月からウィナーズカップで落車する前の5場所は決勝で全て連対。2月のGⅠ豊橋全日本選抜で2着に入り記念4場所では2Vと2着が2回。7年連続のS班戦士として、さすがの安定ぶり。
確かな機動力を備える吉沢純平や地元新鋭の坂井洋との連係を視野に入れつつ、松浦同様に自在な立ち回りで首位争い。まだない当地での記念Vへ闘志を燃やす。そのほか地元の長島大介、神山拓弥、神山雄一郎、雨谷一樹にも注目。勢いに乗ると怖い。
浅井 康太
浅井康太は1班でも実力はS班レベル。松浦や平原と互角の勝負を演じる。
2月静岡、4月高知と記念を制すなど近況成績でも決して引けを取らない。また当地記念は13年にV実績。強烈まくりで優勝をさらいたい。金子貴志は浅井に前を任せての勝負。2月全日本選抜では3日目、最終日と浅井マーク。差すことはできなかったが2回ワンツーが決まった(最終日は諸橋愛と同着)。
ここも離れずピタリと続き直線勝負に懸ける。
中川 誠一郎
松浦、平原と、もう一人のS班が昨年GⅠ2冠の中川誠一郎。自力でも好勝負できるが先行パワーある山崎賢人と九州で連係なら俄然、戦いやすくなる。今年初Vを決めて上昇気流に乗りたい。
稲川翔は今期2班でも差し脚は好調。宇都宮は14年高松宮記念杯でGⅠを制した思い出の地。近畿同士の野原雅也、稲毛健太と自力型の好目標にも恵まれ、決勝で連係できれば勝機は十分にある。
南関の中心は自力で強い渡辺雄太か。地区の中で競走得点最上位。果敢な仕掛けで粘り込みも。静岡同士の岡村潤がガード役。ともに動ける根田空史、鈴木裕の千葉勢もパワーがありV圏内にいる。
宇都宮バンク 周長500㍍。みなし直線距離は63.3㍍(500バンク平均は60.7㍍)。現在、500バンクで開催しているのは宇都宮、大宮、高知の3場だけ。
09年の改修工事でみなし直線距離が4.6㍍短くなった。それでも直線が長く追い込みが有利。