復活第1期として時代を築き上げた102期。

 

 その中でも〝ガールズケイリンの第一人者〟として知られ、現在もママさんレーサーとして活躍する加瀬加奈子(39=新潟)にスポットを当てる。

 ママでも貫く〝男道

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加瀬 加奈子 

 〝男道〟を座右の銘とする加瀬。そんなガールズケイリン第一人者は「バイクだけなら日本一になれると思った」と国体出場経験もあったトライアスロンから自転車の道へ。練習1週間で「目指すは賞金女王」と宣言していた加瀬は高いポテンシャルを生かし、ナショナルチームに選出されるほどの実力にまで成長。そして、11年2月に競輪学校(現日本競輪選手養成所)に合格し夢の扉を開いた。

 

 在校成績は2位も、初代卒記クイーンとして12年7月1日平塚でデビュー。いきなり豪快な逃げ切りで歴史的1勝を挙げた。次開催の松戸で3連勝し初の優勝を飾ると、そこからは1着を量産。明るいキャラクターでも人気となり、ガールズケイリンを盛り上げた。

 そんな加瀬は18年7に妊娠を発表。翌年2月に女児を出産し「人生のグランプリを制しました」とブログで喜びをつづった。その年の7月に復帰し、11月の向日町決勝で復帰後初1着、優勝を飾りママでも強いところを見せた。

 

 今年も2回の優勝と、パワフルな走りはまだまだ健在。2度の2着があるガールズグランプリで、14年以来となる勇姿をファンは待ち望んでいる。家族を背負った〝男道第2章〟は、まだ始まったばかりだ。

卒業記念レース表彰式

12年、競輪学校卒業記念レースの表彰式で笑顔を見せる(左から)2着の中村、1着の加瀬、3着の小林

 加瀬を抑えて在校成績1位で卒業したのが 中村由香里 (39=東京)だ。元小学校の教諭だった中村は在校中54戦41勝、2着12回、3着1回で着外なしと抜群の成績を引っさげデビュー。いきなり完全優勝を飾った後も「教え子たちが成長したように、私も日々成長する」と練習に励み白星を重ねた。

 

 12年のガールズグランプリでは、人気を集めながらも7着大敗。「あのレースがあったからこそ今年1年間、攻める気持ちでやって来られた」と悔しさをバネにして翌年見事にリベンジを果たす。そんな勝負どころへの嗅覚はベテランとなった今も衰えていない。

中村由香里と加瀬加奈子

12年、女子競輪のPR来社時に自慢の肉体美を見せつける加瀬加奈子(左)と中村由香里

2020年5月12日現在
※は引退した選手

選手名 登録地 出走数 1着 優勝
藍野美穂※ 東京 312
荒牧 聖未 栃木 610 245 29
飯塚 朋子 大阪 713 20
伊木雪乃※ 熊本 252
浦部 郁里 滋賀 637 22
岡村 育子 埼玉 566
加瀬加奈子 新潟 494 247 47
門脇真由美 大阪 650 47
越田恵美子※ 石川 370
小林 莉子 東京 652 265 57
選手名 登録地 出走数 1着 優勝
後閑百合亜※ 東京 210
重光啓代※ 静岡 307 15
篠崎 新純 千葉 576 90 14
白井美早子 大阪 614 38
須藤稚明※ 千葉 74
関口 美穂 埼玉 490 20
高松美代子※ 神奈川 323
田口 梓乃 山口 355 21
田中麻衣子 新潟 589
田畑茉利名※ 千葉 509 15
選手名 登録地 出走数 1着 優勝
戸田みよ子 広島 593 38
中川諒子 熊本 589 160 25
中村由香里 東京 623 193 39
中山麗敏※ 神奈川 199 49
野口諭実可 大分 634
藤原亜衣里 新潟 622 11
増茂るるこ 東京 650 122 15
松井明子※ 愛知 322
松尾 智佳 愛媛 623 13
森 美紀※ 福岡 444 25
選手名 登録地 出走数 1着 優勝
山口菜津子※ 高知 565
大和久保美 青森 457 16
渡辺ゆかり 山梨 562 37